<2:if編>
フェイトの場合 CASE−1
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れてるの?」
「悪いかよ・・・」
むくれた表情をするゲオルグの腕にフェイトは抱きつく。
「ううん、うれしいんだよ。 でもね・・・」
そこで言葉を切り、ゲオルグの顔を上目づかいに見上げた。
「心配しなくても、私はずっとゲオルグのものだよ」
「なっ・・・」
出会ったころと同じ、邪気のない笑顔にゲオルグは言葉を失う。
そんなゲオルグを面白そうに見ながらフェイトは声をあげて笑う。
「ねっ、ゲオルグ!」
そして笑いを収めるとフェイトは微笑を浮かべた顔をゲオルグに向ける。
「なんだ?」
「これからも、ずっとよろしくね。 この子ともども」
そう言ってフェイトはゲオルグの手をとり自分のお腹に押しあてる。
「この子って・・・・・まさか!」
「うん。3か月だって」
「なんでもっと早く言わないんだよ!?」
「えへっ、びっくりさせようと思って。 驚いたでしょ?」
悪戯っぽい顔で笑うフェイトに対してゲオルグは唖然とした表情を見せる。
だが、すぐに真剣な表情を浮かべるとフェイトの両肩を掴む。
「お前もこの子も絶対に俺が守る。命に代えてもな」
「ありがと。 でも、それじゃだめだよ。 ずっといっしょにいてくれなきゃ」
「判ってる」
ゲオルグは頷くとフェイトに顔をよせる。
後少しで唇と唇が接触しようとしたところで、フェイトの手にその前進は阻まれる。
「だめだよ。 それはあっちでやらないと」
そう言ってフェイトの指差す方向を見たゲオルグの視線に、
多くの知り合いの顔が飛び込んでくる。
その表情はどれも一様にあきれ顔だった。
「やべっ・・・恥ずかしい・・・」
そう言って俯くゲオルグの手をフェイトが握る。
「いこっ、ゲオルグ!」
そう言って満面の笑みを浮かべるフェイトにつられ、ゲオルグも笑う。
「おうっ! 行くぞ!」
そして2人は腕をからめ合い、参列者の待つチャペルへとゆっくりと踏み出した。
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