クズノハ提督誕生
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て…」
「…あれ、そんな感覚でいいの?」
「分かんないけど良くはないと思う」
この発言には誘った側の芝田も流石に呆れた。
「ま、まぁ何事も経験だと思って…」
「なんだか強引だけどいいや。葛葉は?」
「いや、俺は様子を見るよ」
必死で取り繕う安藤の姿を見ながら葛葉は内心、どうせすぐに断念するだろうと予想した。
〜それから一ヶ月後〜
「おはよう芝田」
「おっすー」
提督のことについて忘れかけてきた頃、葛葉は何気無く芝田に尋ねてみることにした。
「なぁ、先月言ってた提督になるって話だけど」
「ああ、なれたよー」
「え」
葛葉は驚き半分疑い半分といった顔をした。
「本当に?」
「うん、締め切りも近いみたいだし早く君も応募してみたら?」
「授業料とかは…?」
葛葉はおずおず尋ねた。
「本当に無かったよ。詳しい事は言えないけど、君の心配してた時間ってのも何とかなりそう」
「そうか…」
葛葉はまだ迷っていた。
仮に自分が提督になっても、艦隊の指揮を執るなんてことが出来るだろうか。指揮を執る以外にも部下を動かしたりすることが出来るのだろうか。不安が頭の中を駆け巡った。
「あんまり難しく考えない方がいいよ」
そんな時、安藤の声が彼の思考を止めた。
「こんなしがないインドア系女子でもできそうなんだから」
「そういえばお前女だっけ」
「僕も忘れてた」
安藤は言葉使いは荒いが、生物学的には一応女に属する。普段の女らしくない態度のせいで基本的に忘れられるが。
「…なんか凄い失礼な気もするが、まぁいいや。葛葉お前もやってみろよ」
「お前まで勧めるか。うーん、二人からそんなに勧められるとは思わなかったな…」
葛葉は先程とはまた別の理由で少し困惑した。そして少し考えた後、
「じゃあ、そこまで言うなら受けてみるよ」
と割り切った。
「お、いいぞ!」
「やりました」
「?」
こうして葛葉は二人に押し切られる形で提督になるのであった。
それから一ヶ月間、彼は提督に必要な知識、運動能力、戦術、判断力等のありとあらゆる能力を叩き込まれた。時には寝る間も惜しむ程、勉学に励まねばならない日もあった。
しかし、それはまた短期間でエリート中のエリートを作り出すのに相応しい教育でもあった。
「よ、葛葉提督!」
「どうした芝田提督」
ある朝、二人の提督が楽しそうにじゃれあっていた。
「鎮守府就任おめでとう!今日が初仕事だっけ?」
「ああ。しかし本当にタダなんだな。なんか怖いくらいだ…」
授業料だけでなく、交通費及び鎮守府
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