第二話
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のものが二つ、そしてニルフィリアから渡されたものだ。
その全てが外見上は黒鋼錬金鋼で構成された鉄鞭であるが実際はそうではない。前の二つは電子精霊の、後者はニルフィリアの力の結晶であり普通の錬金鋼とは異なり天剣と同じくあらゆる特性を兼ね備えた錬金鋼であり他の武芸者から見れば垂涎の的である。が真の意味で必要な者、通常の錬金鋼の許容量を超えるだけの剄量を持つ者はまず居らず、そんな者は大抵既に天剣を手にしている。
錬金鋼を復元したニーナの所に一人の少女が訪ねてきた。
「小隊に入れて下さい」
床に座り込んで錬金鋼の手入れをしていたニーナがきょとんと声の主を見上げた後、小さく噴き出す。
「勿論隊長にあたしを使おうって気があればですけど……って何か変なこと言いました?」
「あ、いやそうではなくてだな。前もこんなことがあったなと思ってな」
気色ばむ少女、ナルキ・ゲルニに釈明すると思い当たったのか少し赤くなる。
「歓迎するが何故なのか聞いてもいいか。都市警察の方に専念するのではなかったのか?」
「ええ、それはそうなんですけど……」
歯切れの悪いナルキに首を傾げるニーナ、そこに横から声が飛んでくる。
「そりゃあれだ、憧れの先輩が卒業しちまったからな。あっちだけに引っ付いてる必要も無くなったって訳だ」
「シャーニッド先輩!」
ナルキが即座に怒鳴り返すも顔が赤くなっていては迫力も何もあったものではない。成る程と頷くニーナに視線をもどす。
「大体の事情はまあ分かった、それでいいんだな」
はいと返事をするナルキにニーナは腰の剣帯から二個の錬金鋼を抜き出す。
「ならばついでにテストもしよう。これもあの時と同じだな、実力の調査という意味では必要ないが」
それに応えてナルキも構える。都市警察製の黒鋼錬金鋼でできた打棒と先端に紅い紅玉錬金鋼が取り付けられ青石錬金鋼が混ぜられた黒鋼錬金鋼の鎖を復元する。
化錬剄を使用する際に鎖の先端だけでなく全体に変化を起こすのを効率よく伝導させるために幾らか手を加えたものだ。
対するニーナは左手にツェルニから受け取ったものを、右手にニルフィリアから貰ったディックが使っていた巨大なものを構える。
シャーニッドとハーレイが壁際に退避したのを確認しナルキが踏み込む。突き出した打棒は抜く手も見せずに出された鉄鞭によってあっさりと弾かれる。
左手の錬金鋼で外に払い態勢が崩れたところに右手の鉄鞭が振り上げられる。だがそれをナルキは打撃を払われた勢いを利用して半回転し打棒の柄頭でもって防ぎ、その反動を利用して飛び下がる。
「どう思う」
「ニーナの勝ちは動かねえよ。けどんなこと二人ともわかりきっている事だ。だから」
「だから……?」
「果たしてどれだけニーナを崩せるかって事だな」
そんな二人の批評を
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