第二話
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
あくる日、全校集会が開かれ一般の学生にも新たな状況の説明が行われた。反応は様々なものだったが汚染獣の脅威が減少するだろう予想が伝えられると一様に喜びの声が上がった。
その後、第十七小隊は錬武館の小隊スペースに集まっていた。グレンダンに残ったレイフォンを除く四人とハーレイである。
集まったとはいえ重要な話があるわけでもなくすぐに解散しようという流れになったがそれにストップをかける者がいた。フェリだった。
「隊長、私今年で小隊辞めるのでそのつもりでいてください」
「小隊に何が不満でもあるのか?」
「いえ、一般教養科に移るつもりなので」
一同に激震が走る。そのなかで真っ先に動いたのはダルシェナだ。
「お前は……」
武芸者の誇りを何だと思っている、とでも続いたのかもしれないがニーナによって遮られる。
「何故なのか理由を聞いてもいいか」
烈火の如く激昂するかと思われたニーナだったが皆の予想に反してその声は穏やかだった。
「私は元々一般教養科で入学してあの兄に武芸科に転科させられました。目的はツェルニの鉱山不足の解消でそれは去年達成しました。今年も武芸者を続けていたのはデルボネさんに託されたものがあったからです。ですがそれも終わって続ける理由も無いですし、元の目的に戻ろうと思います」
「今から転科すると再び武芸科に戻るのは不可能だがそれでもいいんだな」
既に認めるような念押しをするニーナに周囲は呆気にとられる。
「ええ、構いません」
「わかった、武芸長には私から伝えておく」
「ちょっと待てよニーナ、フェリちゃん無しでこの小隊はどうすんだよ。念威繰者無しじゃやってけねえだろ」
シャーニッドが異議を唱える。小隊の事を考えると尤もである。
「それはわかっているが、だからといって止めてどうなるというものではないだろう。学園都市なのだから自分のしたいようにすることも大切だからな。念威繰者は誰か探すしかあるまい」
一番反対すると思われていた人物であり、尚且つ隊長であるニーナが賛成にまわったことで反対論も立ち消えになり、武芸長が幾らか難色を示したもののニーナの説得もあり無事フェリは一般教養科に転科することができた。
それから幾らかの日が経ったある日、生徒会棟の一室で二人の女生徒が顔を合わせていた。
会長のサラミヤ・ミルケと副会長のレウ・マーシュである。
「またこの季節がやってきたわね」
「え、何で? 私が勝つでしょ」
面倒臭そうな顔を隠しもしないレウとは異なり、あっけらかんとサラミヤが勝利宣言をする。
何の事かと言えば生徒会長選挙についてである。楽天的なサラミヤの言葉にもレウの表情が晴れることはない。
「そりゃ確かに大きな失敗はしてないわね」
でしょ、でしょ と騒ぐサラミヤを冷たく見やり、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ