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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross world〜
cross world:交誼
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。
その痛みの根源は、カグラの手元にあった。
一・五メートル強は余裕であろう巨大な大太刀。その鋼色の刀身から、突如として大量の炎が噴出し、巫女の右腕ごと覆い尽くしたのだ。
悲鳴を上げる間さえなかった。
しかし、当の本人はまったく熱がる様子もなく、また傍らに立つマイの表情も涼しげだった。
数瞬の後、炎は出てきたときの同じくらいの唐突さで消え、後に残ったのは恒星を思わせる、純白の刀身と化した一振りの大太刀だった。
システム的にありえない現象。
それを見ても、おれは驚くことはなかった。
まぁ、この不可思議な現象を理解しているわけではない。脳がマヒしているというわけでもない。ただ、
こ
(
・
)
の
(
・
)
程
(
・
)
度
(
・
)
のことで心を揺るがしているようでは、あの
場
(
・
)
所
(
・
)
には行けない。
そんなことを思いながら、おれは目の前の化け物と向き直った。
不思議と、これだけの強敵を目前にしても、あの世界で何度か感じたような高揚感のようなものは湧き上がってこなかった。
それは、敵があまりにも人間離れしているからか、それとも――――
大事なのは仕組みじゃない。結果だ。
そう自分に言い聞かせ、俺は腰に加わった新たな重みに意識を移した。
対近接戦闘用スキル構成《
幻夜
(
げんや
)
》
二振りの漆黒の刀を操るこのスキル構成は、近距離〜中距離を相手にするのに特化したものだ。
味方に多大な損害を与える可能性がある幻夜は、本来集団対集団はおろか、集団対個人(敵)にははっきり言って向いていない。
しかし、敵もまたこれまでの尺度では図る事ができない。ここはカグラの言う通り、全力で行ったほうが得策だろう。
カグラがこちらに、チラリと視線を向けてきた。
交錯する視線。
俺はこくりと、しっかりと頷いた。
しゃりん、という涼やかな音とともに二刀の黒剣《エクリシス》と《ザ・ネームレス》を抜刀する。
「――――ッ!!」
ドウ!!と腹に響くような音とともに全身の力を両足に集め、ソレイユという名が与えられた
仮想体
(
アバター
)
が黒き弾丸となって加速した。
まずは右のエクリシス。
真下から振り上げるような軌道で相手を強制的に空中へ踊らせ、一時的な
行動不能
(
スタン
)
状態に貶めるカタナスキル《
浮舟
(
ウキフネ
)
》。
黒い刀身が血のような残光を残しつつ、紅衣の少年へ向かう。
しかし――――
ガイイィィィーンン!!
硬質な手応えとともに、刀身が強制的に停止させられる。
確かに、《浮舟》はカタナスキルの基本技として君臨しているにもかかわらず、かなり優秀な技といえる。単発技かつ基本技ゆえの技後硬直時間の短さ、相手を浮かすという可能性の広がり。
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