暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
21 崩れていく社会
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「ハァ...ハァ....アァァ...!」

数分前、ブライノイズは先程の閃光で騒ぎになっているプライムタウンの路地を必死に走っていた。
既に正気を保っていられない状態だった。
『エンドレス・ナイトメア』を受けたことで負の感情が増幅、システムが協調し暴走、結果として体と心に反動を受け、視界も危うい。

「クッ....ガァァァ...」

住人の注目は閃光と轟音が響き、倒壊した廃ビルの方に向いている。
そのためか明らかに目立つ格好のブライノイズに誰も気づくことはなかった。
そしてブライノイズ自身も何かを恐れ、住人たちの存在を気にすることなどなかった。

「アァァ!!」

豪雨によって滑りやすくなっており、裏路地に倒れ込んだ。
何度も何度も落ち着こうと深呼吸を繰り返すが、全く動悸が収まらない。
そもそも何に恐れを抱いているのかすら分からない。
Valkyrieでもなければ安食でもない。
ただ分かっているのはここにいては危ないということ。
Valkyrieの追手が迫っている。
今の状態では戦闘など出来ない。
しかしこのダメージで逃げ切れるわけもない。

「ハァ...アァ...」

ブライノイズは自分でもどうしたら良いか分からなかったが、自然と右手が腰に向かい、装備されていたグングニルを引き抜いた。
そして必死に視界を探しまわり逃げられずとも隠れられる場所を見つけ出した。
自分が今、背中を預けているボロマンションの屋上、ちょうど屋根にワイヤー弾を撃ち込みやすいポイントがある。
ブライノイズはトリガーを引くと、ガス式銃独特の発砲音が周囲に同心円上に広がり、グングニルのフックをユーティリティベルトに引っ掛けた。

「ウゥ...アァァ!!」

一瞬にしてワイヤーは巻き取られ、腕に力を込め屋上に這い上がった。

「僕は...僕...アァ...」

屋根の上には酒瓶の欠片が散乱し、うつ伏せの体勢では腕や胸に痛みがあり、背中には冷たい雨が突き刺さるがそれは問題ではなかった。
痛みを感じる回路が何者かも分からぬ恐怖で故障しているのだ。
しかし次の瞬間、ブライノイズはその恐怖の正体を知ることになった。

「...これが...僕?」

屋根の上の水たまりに映った自分の顔、それは今まで自分自身見たことのない顔だった。
数時間前までの女と見間違える顔とは全く違った。
青のバイザー越しに見える目は血走り、目の下から頬を通り首に向かって、回路図のような模様が走っていた。
顔色も血が通っていない程に白くなり、口は裂けたように開いていた。

「ハッ...アァ...アァァ!!!」

恐怖のあまり水たまりの水を弾き、体勢をうつ伏せに変えた。
その時、ブライノイズ=彩斗は全てを悟った。
自分が恐れていたの
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