暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外10話『トトもの』
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りするのかもしれない。いや、むしろルフィたちは全員がまだトトから見れば子供といっても過言ではない年齢だ。聞き流したりするほうが普通で、自然だろう。
 けれど、トトは違った。

「……う、む」

 目頭を押さえ、空を見上げた。
 それはハントの言葉や表情に説得力を感じたのかもしれない。言葉のどこかでトトの心の琴線に触れたのかもしれない。それはトトにしかわからないことで、もしかしたらトトにすらわからないことかもしれない。
 ただ、トトは呟いた。「ありがとう」と。

「……」
「……」

 少しだけ。
 ほんの数秒ほどの静寂の後、ハントが「さて」とルフィを担ぐ。

「そろそろ寝るよ、明日に備えないと守れるものも守れないし。おっちゃんもキリのいいところで寝ないと体壊すぞ?」
「あぁ、ありがとう……おやすみ」
「おやすみ」

 挨拶をして、二人が別れる。
 徐々に距離が離れていく二人の表情は笑顔だった。




 翌朝。
 トトに別れを告げて『ユバ』を出た一行は、反乱軍の新たな本拠地『カトレア』を目指していたのだが『ユバ』が見えなくなってすぐに「やめた」という言葉とともにルフィが腰を下ろしたことからルフィとビビの喧嘩へと発展していた。
 殴り合いにまで発展したその喧嘩の最中。

「おれたちの命くらい一緒に賭けてみろ! 仲間だろうが!」
「!?」

 ルフィの言葉でビビから涙がこぼれ落ちた。

「……なんだ、出るんじゃねぇか、涙」
「……う」
「本当はお前が一番悔しくて、あいつをブッ飛ばしてぇんだ……教えろよ、クロコダイルの居場所」

 こうして麦わら一味はクロコダイルのいる町『レインベース』を目指すことになった。
 ルフィの言葉に、一行の士気は高まり、当然ハントも更なるやる気を内心に秘めることとなったのだがその一方で。

 ――クロコダイルのいる町と反乱軍のいる町って違う町なのか……よく考えたら当然だよな。

 自分の勘違いに気づき、内心で冷や汗を流していたりとか。




 ――そして。




 ユートピア作戦。
 王下七武海クロコダイルが率いるバロックワークスの最終作戦名で、この作戦が成功したとき、アラバスタ王国はクロコダイルの手に落ちる。
 その最終作戦が発動するまで残り1時間を切った時、麦わら一味も既にクロコダイルの拠点『レインベース』へと到着していた。

「あいつらに任せて大丈夫かな」

 広場で休憩をとりながら水を買い出しに行ったルフィとウソップを心配して、サンジが言葉を漏らした。もちろんこの場合の心配とはルフィとウソップの身を案じて、というわけではなくあの二人が何の問題も起こさずに水を買ってこられるかという心配である。

「お使いく
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