第十一章 追憶の二重奏
第七話 前へと
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えたのはきっと勘違いではない筈である。
あの時、士郎に偶然(士郎の談)着替えている姿(わざとなのか偶然なのか丁度裸の時)を見られたティファニアが上げた悲鳴を聞きつけ居間に飛び込んできたセイバーは、瞬時に状況を把握すると即座にお仕置き(処刑だったとは士郎の談)を実行した。
かなり危険な所まで進みかけたお仕置き(処刑)であったが、被害者であるティファニアの弁護により土下座でお開きとなり士郎は九死に一生を得たのである。
そして今、士郎はやっと落ち着いた皆と共に居間に置かれたテーブルを囲んでいた。
「べ、別に怒っていませんから。シロウさんも気にしないで下さい」
「いや、そう言われてもな。流石にあれは……テファに不快な思いをさせてしまったのは事実だし」
「い、いえ。そんなことは……それに不快じゃなかったから」
士郎がすまなそうに頭を下げる姿を見て、ティファニアは慌てて首を横に振ると、視線を外すと小さく確かめるように声を漏らした。
「ん?」
「ッ! い、いえッ!! な、何でもないですっ!」
「そう、か?」
顔を上げると顔を真っ赤にしたティファニアが凄い勢いで頭よ飛んでいけっ! とばかりに首を左右に降っていた。戸惑いながらも頷いて見せると、ティファニアはテーブルに額をぶつけるのではと思うような勢いで頭を振る。
「はいっ!!」
「まあ、ティファニアが気にしていないと言うのならば、これ以上私からは何も言いませんが。それでこんな所までわざわざ来るなど、何のようですか?」
どことなく不機嫌な様子でじろりとセイバーは、士郎とルイズたちを見回した。
「そう、だな。結論から言った方が早いから単刀直入に聞くんだが。テファ」
セイバーの問いに、居住まいを正した士郎はティファニアと視線を合わせると目に力を込めた。
「あ、は、はい」
「俺と一緒にトリステインに来てくれないか?」
「―――え?」
ぽかんと口を開いた顔のまま、ティファニアは何か信じられないものでも見るかのように士郎を見つめる。
「もちろんテファだけじゃない。この村の子供たち全員もだ。生活の保障もきちんとする」
「……あ、で、でも。そんないきなり……一体どうして」
「話せば長くなるが……」
そして士郎はティファニアにこれまでの経緯を説明する。ティファニアが使う魔法が他の魔法とは違う伝説に詠われる『虚無』であること。そして今、その虚無の担い手を狙う者がおり、ここも何時襲われるか分からないと。例えセイバーがいたとしても、人海戦術でこられれば、子供たちに犠牲が出る可能性もある。
だから―――。
「一緒に来てくれるか?」
「……少し……考えさせて下さい」
「ああ、それは構わないが。どれくらい必要だ?」
「……明日
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