第十一章 追憶の二重奏
第七話 前へと
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ね。確かにあの子は色々と詰め込みすぎね」
互いに自分の胸を見下ろしながら呟くロングビルとキュルケ。二人共決して小さくはない。それどころか一般的に巨乳と呼ばれる程の大きさを持っている筈であるにも関わらず、自身の胸を見下ろす二人は、己の無力さを噛み締めるかのような表情が浮かんでいる。
「……仲直りが終わったならさっさと歩いたら」
何時の間にか一行の一番最後を歩いていたルイズが、立ち止まって自分の胸をにぎにぎと揉んでいるロングビルとキュルケの二人を追い越すと、振り返りジト目で睨むと注意をする。
ロングビルとキュルケは自分の胸を揉む手を止めると、互いに苦笑いを向け合った後、前を歩くルイズを追いかけた。
「ルイズ。あなた何イラついてるのよ?」
小走りに駆けたキュルケは、ルイズの横に立つと視線を下げる。
「……別に、気のせいでしょ」
「そうかい? まあ……確かに単純に機嫌が悪いって理由じゃないようだね」
ロングビルの言葉を聞き、キュルケは確かにと内心頷く。最近変わってきてはいるが、まだまだルイズは気持ちが顔や態度に出ることをキュルケは知っていた。だから改めてルイズを見直し、単純にイラついているわけではないことに気付く。
イライラと言うよりも……ピリピリ? ん〜? ちょっとそれも違うような……?
……あ。
「そうね。確かに……そう、機嫌が悪いと言うよりも……何か怯えてる?」
「―――ッ?!」
ピタリと足を止めたルイズは、グッと唇を噛み締めると顔を俯かせた。
「え? ちょっと、どうかした?」
「気分でも悪くなったかい?」
突然足を止めたルイズを囲むようにして、キュルケとロングビルが心配気に声を掛ける。
―――が、
「……ごめん。本当に大丈夫だから、ありがと、心配してくれて……」
ルイズは顔を俯かせたまま顔を横に軽く振ると、そのまま顔を上げることもせず逃げるように先を行く士郎とタバサに向かって小走りで駆けて行く。
「……本当にどうしたのよあの子?」
「キュルケ。あんた心当たりとかないの?」
ロングビルの問いかけに、顎に手を当て暫らく考え込んだキュルケは、今朝タバサから聞いた話を思い出しポツリと口から零した。
「―――ん、そう言えばあの子、今魔法が使えないとか……」
「魔法が使えない? そりゃまた何でいきなり?」
首を傾げながら横目で訪ねてくるロングビルに、キュルケは眉間に皺を寄せながら吐き捨てるように言う。
「原因何て知らないわよ。わたしも今朝タバサから聞いたばかりで詳しい事情なんて知らないし」
「魔法が使えないねぇ……それが原因かねぇ?」
何処か納得出来ないと言う顔をしながらルイ
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