激戦開幕
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燃やして。
その目は――――――本気だった。
「妖精達が拠点に気づいた?」
「はい、シェヴルからの報告です」
キャトルの言葉に、エストは意外そうに目を見開いた。
だがその表情はすぐに消え、深い愁いが現れる。
「そうか・・・そう、なんだね」
「統帥?」
「・・・何でもないよ、キャトル」
そう言ってエストは微笑むが、キャトルは知っていた。
自分が統帥と呼び慕うこの男のこの微笑みは、心からの笑みではないと。
ただ周りを安心させるだけの、表面上の笑み。
(・・・その笑みで、安心など出来ないのだけれど)
ふぅ、と小さく溜息をつき、キャトルは顔を上げた。
エストはキャトルに背を向け、空を見上げている。
ゆっくりと紺色を帯び始めた空を見つめ、エストは呟いた。
「描けない夢など、ないと思っていたんだけどね・・・」
「ザイール」
「何でしょう、マスター」
ここは血塗れの欲望の本拠地である塔。
その塔のとあるフロアに、黒装束を纏ったザイールはいた。
同じフロアでザイールの正面に立つのは、1人の青年。
黒い髪に赤い右目と金色の左目のオッドアイが特徴的な青年は、マジシャンを思わせる服装の黒マントを棚引かせた。
「妖精が感づいたようだ。手の空いているメンバー全員招集してくれ」
「招集するまでもないよ〜、マスター」
コツ、コツ、とヒールが鳴る。
現れたのは、ボサボサの髪に垂れ目の背が高い女性。
その後ろから、全身緑の少女やブロンドのカーリーロングヘアの女性、左目が青で右目が赤のオッドアイの青年、栗色の髪をお団子にまとめた少女、両目を布で覆った侍のような服装の青年も現れる。
「全員ー、手はー、空いてるー、よー」
全身緑少女が呟く。
マスターと呼ばれた青年は笑みを浮かべた。
「カトレーン宅に向かってくる妖精を1人残らず排除しろ。手段は自由、殺しても構わない」
大雑把な指令。
でも、彼等にはそれだけで十分だった。
「さてさて・・・誰を潰した時が1番楽しいかねぇ♪」
災厄の道化
“死の人形使い”マミー・マン
「殲滅ー、殲滅ー、わーい」
災厄の道化
“太陽の殲滅者”シオ・クリーパー
「少しは落ち着いたらどうだ、お前達は」
災厄の道化
“氷爆”ザイール・フォルガ
「でも興奮するのも解りますデス♪」
災厄の道化
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