激戦開幕
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りがかったんだよ」
「そっ♪で、何か『サインください!』って言われたから適当に名前書いといたらグレイを放ってどっか行っちまった」
どうやらグレイを不審者だと勘違い(まぁ上半身裸の男がいたら不審者だと思って当然なのだが)したのは女性だったようだ。
通りがかったのが週刊ソーサラーの彼氏にしたい魔導士ランキング上位ランカーのアルカだった為、彼のサイン1つでどうにかなったらしい。
本人は「不審者だとか言ったくせに放ってどっか行くなんてヒデェよなー」とか何とか言っているが。
「で・・・ルーシィ達の方も、ルー達の方も情報はない、と」
「うん・・・アルカは?」
「残念だがこっちもねぇよ」
アルカは肩を竦めた。
ここまで見事なまでに全滅、残るはヴィーテルシアだが――――
「・・・来ないな」
「遅いね」
「1時間後っつったはずなんだけどな・・・」
姿を見せない。
ティアの相棒であるヴィーテルシアは、彼女同様に時間はきっちり守るタイプだ。
だから遅れるなど珍しい以外の何物でもない。
「変な事に巻き込まれてるのかなー・・・グレイみたいに」
「オレみたい言うなっ」
「腹でも減ったんじゃねーの?」
「ナツじゃあるめーし」
ルーの言葉にグレイがツッコみ(でも説得力がない)、ナツの言葉にアルカが思わず苦笑する。
すると、酒場に金髪の三つ編みが揺れ現れた。
「すまない、遅れたな」
「ヴィーテルシア!」
「珍しいな・・・お前が遅れるとは」
「色々あってな」
変わらず少女の姿のヴィーテルシアは、どこか嬉しそうに椅子に腰掛ける。
その口元は綻び、夕日色の瞳は笑うように細められていて、ぴょこぴょこと少女姿にミスマッチな狼の耳が揺れた。
「どうしたんだ?随分嬉しそうじゃねーか。つか、耳」
「当然だっ!」
指摘されて気づいたのか、ヴィーテルシアはパチンと指を鳴らす。
それに反応して耳がふわりと消えた。
普段クールなヴィーテルシアがここまで嬉しそうにしているとすれば、それは7割の確率でティアに関する事であり、因みに残りの3割は昨日の夕飯が好物だったとかぐっすり眠れたとかそういう事である。
「血塗れの欲望についての情報を手に入れたぞっ!」
『!』
破顔一笑するヴィーテルシアの言葉に、全員が目を見開く。
そりゃヴィーテルシアもここまでニコニコする訳だ。
ティアに関わる事なのだから。
「マジかよ!?」
「マジだっ!」
「で!?どんな情報だ!?」
ナツに問われ、ヴィーテルシアはこくっと頷く。
続くようにグレイが問う。
「まず、奴等の本拠地は・・・ここだ」
どこからかフルールの地図を取り出したヴィーテルシアは
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