激戦開幕
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レアスカートを着て、足元は黒いショートブーツ。
その手に見慣れた手作り感満載のパッチワークのバッグはないが、代わりにその右手には血塗られたように赤黒い鍵が1本握られている。
「な、な・・・!」
「お前・・・さっきの正規ギルドの奴か・・・!?」
「違います。私はどこのギルドにも属してません。存在的には正規ギルド側ですけど」
思わず声を震わせる男達に、少女―――――メープルは微笑む。
だが、彼等は知っている。
この微笑みの裏に何があるかを。
「だけど・・・闇ギルドの存在を知って、許しておけるほどいい人じゃありません」
微笑みはそのままに、メープルはゆっくりと鍵を構える。
赤黒い事と美しい形を覗けばどこにでもありそうな鍵なのに、男達はその鍵に対して一言じゃ言えないほどの恐怖を感じていた。
「久々に召喚しますか・・・彼を」
ニタリ、と。
メープルが笑う。
先ほどまでの優しげな微笑みではなく、悪を煮詰めたような黒い笑み。
「美味しい血があるといいですね」
その呟きが、戦慄に覆われた闇ギルドに、静かに響いた――――――。
「あー・・・退屈だー・・・」
「もうすぐみんな来るよ、ナツ」
魔法都市フルール。
その宿の中にある酒場では、ナツとハッピーが大きいテーブルを陣取っていた。
酒場はそれほど混んでおらず、テーブル1つを陣取るナツとハッピーを鬱陶しげに見る客もいない。
「ナツー!ハッピー!」
「おー、ルーシィ」
最初に戻ってきたのはルーシィとエルザだった。
酒場に入ってきた2人に軽く手を振る。
2人はナツの向かいに腰掛けた。
「どうだった?」
「ダメ・・・カトレーンについては“名家”って事ぐらいしか解らなかったわ」
「血塗れの欲望の方は名前すら聞いた事がない人達ばかりだった。中には名を知る人もいたが、本拠地までは・・・」
ハッピーに聞かれ、ルーシィとエルザは首を横に振る。
思ったような成果は得られなかったようだ。
「そっちもダメだったの?」
「ルー!・・・あれ、グレイは?」
「道端で服脱いじゃって通りがかった女の人に不審者扱いされて現在進行形で事情聴取中だよう」
『・・・』
そこにルーが現れる。
空腹だったのだろう。その手にはメロンパンが握られている。
ルーシィの隣に腰掛けたルーははむっとメロンパンにかぶりついた。
「ったくよォ・・・気ィ付けろよな」
「うっ・・・スマネェ」
続いてアルカとグレイがやってきた。
申し訳なさそうに呟くグレイにアルカは「ま、いいけどな」と笑い、空いている椅子に座る。
「あ、グレイ解放されたんだ」
「運よくアルカが通
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