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Element Magic Trinity
激戦開幕
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!マスター倒したよー!」

そこにいるのは召喚系魔法を扱うサルディアと、彼女によって召喚された黒地に銀色の模様の飛竜(ワイバーン)、アイゼンフロウ。
クラシカルロリータを着て桃色の髪をツインテールに結える少女と飛竜(ワイバーン)の組み合わせは美女と野獣という言葉そのまま。
満面の笑みで手を振るサルディアに軽く手を振り返し、クロスはにっこりと微笑んだ。
だが、その微笑みに優しさは欠片も含まれていない。

「さて・・・誰が黙ってないって?」

表面上だけ笑みを浮かべるクロスの姿はさながら悪魔のよう。
そんなクロスにこれ以上の抵抗など出来るはずもなく、男は力なく項垂れた。

「よし、俺の質問に答えろ」
「へっ・・・誰が答えるかよ・・・」
「そうか・・・」

最後の抵抗と言わんばかりに笑みを浮かべて呟く、サルディアとアイゼンフロウによって倒されたギルドマスター。
その答えに、ライアーは残念そうに俯いた。

「答えた方が、身の為だと思ったんだがな・・・」
「へ?」
「どうやら答えるつもりはないようだ、サルディア」

嫌な予感がした、と後にギルドマスターは語った。
その時、自分の目には長い黒髪を1本に結えた異国風の服を着た男と、その背後に立つ自分より一回りは年下であろう少女と黒い飛竜(ワイバーン)が見えたという。
そして―――その少女は、あくまでも優しい笑みを崩さなかったとか。

「そっかぁ・・・私としては、これ以上の怪我を負わせるつもりはないんだけど・・・答えてくれないなら、仕方ないかな。ねぇ、アイゼンフロウ?」
「グルルゥ」
「やっぱりそう思う?ごめんねアイゼンフロウ・・・“もう一仕事”、お願い出来るかな?」
「ガウッ!」
「ありがとう!それじゃあお願いね」

先ほどまで自分を恐怖へと陥れていた黒き鱗の飛竜(ワイバーン)は、大人しそうな少女の言葉に、飼い主に懐く犬のよう―――気のせいか、返事も犬っぽい―――に、素直に返事をする。
その、猛る炎のように赤い目が真っ直ぐにギルドマスターを見つめていた。

「ひっ・・・いぎっ・・・」

サルディアの言う“もう一仕事”が何を意味するか、ギルドマスターは直感で解った。
このアイゼンフロウと名付けられた飛竜(ワイバーン)が自分に危害を加えるという事は、その赤い目を見ればすぐに解る。
どこまでも主に忠実な飛竜(ワイバーン)は、容赦なくその鋭い爪を構えた。

「こ、答えますっ!答えますから・・・っ!命だけは!」

そう言うしかなかった。
今は抵抗するより命が大事だ。

「何だよ、この程度で怖気づいちまうのか?」
「随分弱い奴だ、いろんな意味で」
「まぁ仕方ないと言えば仕方ないがな。サルディア、アイゼンフロウを停止させろ」

クロスに
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