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ボロボロの使い魔
『戦う理由』
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間、読み散らかした本を片付けも せず、彼は急ぎ飛び出した

場所も聞かずに

とはいえ、いつも同じ事をしているルイズの手際はモンモランシーの想像していたより遥かに向 上していたため、既に話が伝わった頃には終わりかけていたのだが
そして、格好つけて飛び出したはいいもののしばらく走った橘は足を止める

ルイズはどこにいるのだろうか

知らず知らずの内に食堂の方向に向かっていたが、それは他の場所などロクに知らない彼が無意 識の内に自分の知っている場所を目指してしまったからであり、その判断に空腹感などは影響し ていない…はずだ

困り、モンモランシーに訪ねようとしたが
彼女は今、橘が飛び出す際散らかしてしまった本の 整理をさせられていた為にいない
だが変わりに、食堂の方向からやって来た一人の男子生徒が話し掛けてきた

「やぁ…君が『ゼロ』の使い魔君か、早く御主人様の所にいってあげたらどうだい、彼女、お困りのようだからね…」

「…どういう事だ?」

しかし、その男はニヤニヤするだけで、答えることなく行ってしまった
『ゼロ』の意味を知ら ない橘に、それが誰を指すかは分からない
ただ、自分の事を『の使い魔』といわれた時、もしやと思った
その男の言葉と態度に、何か嫌な予感がした橘は、それ以上男に構う事をせず、急ぎ食堂に向かい

そして、何があったかは知らないが
泣き崩れているメイドと途方にくれていたルイズを見つけその予感が正しかった事を知るのであった



「貴方が変わりに決闘を受けるですって!?」

「ああ」

何の気負いも無く言われ、言葉がでない
モンモランシーは呆れてしまった
ようやく本の片付けが終わり図書室から出た後、自身も食事をとるべく食堂に向い、再度橘と顔 を合わせたモンモランシーが聞く事になった事情は彼女の予想を超えていた
…というか、何で教室の掃除が決闘に変わってしまっているのだろうか
それは、彼女の説明不足と偶々によるものではあるが、一番の理由は二人がお互いの事をロクに 知らず、まだまともな相互理解を出来ていないということでもある
なのに 橘はそんな相手の為に戦おうとしているのだ
モンモランシーでなくとも呆れるだろう

「ヴァリエールは承諾したの!?」

「勝手にしろと怒鳴られたよ」

困ったように言ってはいるが、その態度に深刻さは無かった

「理由はどうあれ俺はあいつの側にいてやる事をしなかった…だから俺の責任でもある、パート ナーだからな一応は」

馬鹿だと思った

一体、どんな思考回路をしていればこんな理屈がでるのだろうか?

「それに…アイツはメイドの子を庇ったらしい…悪い奴じゃないんだ、たぶんな」

メイドを庇った?
あの
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