暁 〜小説投稿サイト〜
ボロボロの使い魔
『独り』
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教室の掃除は慣れている

吹き飛んだ机を並べ直すのも
床を這いつくばって磨くのも
それに必要な水を、魔法も使わずバケツに汲んで運ぶのも
拾い集めるガラスの破片で、自分の指が傷つき血を流すのも
何度も何度も一人でしている事だから

午前の授業、『錬金』を失敗したルイズは、盛大な爆発を起こし滅茶苦茶にした教室を片付ける よう教師に命令されたのだ
だが、それもいつもの事である
滅茶苦茶だった教室を、大した時間もかからず掃除し終えて、ルイズは一人溜め息をつく、無論 それを聞くものなど誰もいない



第五話『独り』



彼女は一人だった

だが、それでもいいと思ってしまう


どうせ、クラスの生徒もメイド達も自分を見下し馬鹿にする事しかしないのだから
今日も笑われた
『ゼロのルイズ』魔法成功率『ゼロ』のルイズ
『ゼロ』では無いと言ってやった
使い魔は召還できた、サモンサーヴァントは成功したのだと
だが『平民』を召還した事を馬鹿にされ
躾も満足に出来ないのかと笑われた
召還した使い魔は、主である自分の命令に従わず勝手にどこかに行ってしまった
馬鹿にされる事には慣れている
なのにこの惨めな感情は慣れる事ができない
慣れたくもない

それでも、自分は強くならなければならないのだ

憧れ、愛し、一生を誓った人に相応しい偉大なメイジにならなければいけない

彼は自分に優しかった
落ち込む自分を慰め、励ましてくれた
そして、結婚しようと約束してくれた
それは幼い子供の戯れであったかもしれない
だがルイズは彼の存在を支えに誰一人味方のいな い学院生活を耐えている

『閃光』の二つ名を持つスクエア
トリスティンでも最強の一人に数えられるであろう
自分の婚約者 『ゼロ』の自分とは天地ほどの差がある彼に相応しくなるために
ルイズは気分を切り替える
自分には素晴らしい人がいる、他の有象無象のクラスメイト達とは全然違う
使い魔が頼りにならない事も昨晩のうちに分かっていた事だ

自分は一人だ
だが、それでもいいと思った

ボロボロになった制服で食堂に向かう、でるときは気にしていたシワも今となってはどうでもいいことだった

ルイズには理解できない
何故、自分は苛々しているのか。

何故、あの使い魔は自分に敬意を払い従おうとしないのか
何故、どうでもいいと断じながら、どうしようも無い不満を感じているのか
ルイズはずっと一人だった
プライドとコンプレックスばかりが肥大化し続けてしまった少女
劣等感と僻みから壁を作り、周囲との関わりを拒絶し続けていた彼女には誰もいない
自身が味方だと思える相手も、優しくしてくれる相手も、頼れる相手も
自身の
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