『独り』
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傲慢さと、どこかズレてしまっている貴族としての誇りを指摘し正してくれる存在も
ずっと学院一人だったルイズには、自分が本当は何を求めているのかさえ理解する事が出来なかった
…あんたも、いい男をみつけなさい
そんな彼女に唯一、積極的に関わろうとしていた隣人も今はいない
彼女は何を思っていたのか
何で自分にそんな事を言ったのか
今のルイズには理解の出来無い事だった
だが、簡単に理解できる事もある
例えば、今
食堂前でメイドに因縁をつけているらしい男子生徒が、自分が最も嫌悪感を抱いている相手であることくらいは
「ギーシュ、アンタ何してんの?」
睨みつけるように言ってやると、普段は気障ったらしい顔を嫌悪に歪めてその男はこちらを向いた
「…何だ『ゼロのルイズ』には関係無いよ…さっさと行ってくれないか」
その言葉だけで頭が沸騰しそうになる
「アンタがそこに突っ立ってるのが邪魔なのよ…その娘が何をしたのか知らないけど、さっさと放してそこを退きなさい」
普段の彼女であれば、平民のメイドがどんな扱いをされていたからといって、それを態々助けようなどとは思わなかっただろう
だが、ルイズは苛々していた
昨晩からずっと、あの使えない使い魔のせいで苛々し続けていたのだ
加えて、ルイズはギーシュが嫌いだった
ドットとはいえかなりの力を持つギーシュは殊更『ゼロ』のルイズを嘲り馬鹿にしてくれていた
「この平民は僕にぶつかってきたんだよ?おかげで壁に顔をぶつける所だったんだ…それを注意 してやっていただけさ」
「アンタの理屈なんて知った事じゃないわ…今すぐその子を放してそこを退けなさい」
するとギーシュはやれやれと言わんばかりに首を振る
「どうして平民なんか庇うんだ?…無力な。何の力も持たない平民なんか」
何故かその言葉に腹がたつ
「只アンタが気にくわないだけよ。貴族の恥曝しであるアンタがね」
それを聞くとギーシュは笑った 嘲るように、馬鹿にするように
「…っ、いいよ、そんなに気にくわないというならハッキリさせようじゃないか。……決闘だ」
「何いってんの?…貴族どうしの決闘は禁止されているはずよ。」
「君は『貴族』なんかじゃ無いだろう? 魔法の使えない『ゼロ』なんだから」
瞬間、本気で殴り飛ばしてやろうかと思った
小柄な体格をしてはいるものの、ルイズの体力は決して低いほうでは無い
むしろ、魔法に頼らず生活している分、同じ世代の男子生徒達よりも腕力なども強いのだ
ここで殴り合いの喧嘩をしたところで自分が負ける事などない
ギーシュ相手なら自信もある
だが
「…わかったわよ、受けて立ってやろうじゃないの!」
出来なか
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