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ボロボロの使い魔
『優しい人』
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ひたすら ヒステリックに怒鳴り続ける事でそれを誤魔化そうとしていたのだ 偉大な主として、呼び出した使い魔の前では弱みを見せたくないために
しかし、ルイズの体は既に限界を超えていた
告げようとした言葉を最後まで言うことも出来ず体が傾く
と、同時に意識が遠くなる

「………!」

使い魔が何かを言ったような気がするがよく分からない

煩いわね…アンタのせいで私の体はボロボロなのよ!
薄れていく意識の中
ルイズの頭にあった のは、自身の無力に対する悔しさと情けなさだけだった

だから、彼女は気づく事が出来なかった
怒鳴るばかりだったその声が、自分の顔色を案じるものだった事に
頼りにならない
そうルイズが断じた男の腕が自分を抱き止めてくれた事に

ルイズは、何も知らない

『橘朔也』

その存在が
今はコンプレックスとプライド以外に何も持たない自分に多大な影響を 与えていく事を

彼女は、まだ何もわかってはいなかった
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