1-4No.6炎の処刑人vsカイン
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量の血飛沫を上げる。カインは刀を鞘に納めるとアグニーマンの元に寄り膝をつきしゃがむ。
「やはり…ボスの言った通り…オエッ!……だな」
息が苦しいのか発する言葉は途切れ途切れになり、所々では吐血している。
「俺は今まで様々な罪人を…この手で裁いてきた。窃盗、殺人、詐欺、強姦、本当に様々な罪を背負った罪人をだ。どいつも共通なのは……根っからの糞野郎…だってことだ。だが戦いの中で……ボスから聞いたことは確信に変わった。」
カインは黙ってアグニーマンの話に耳を傾けていたが、カインが反応した。
「お前のボスはなんて言ってた?」
アグニーマンは乱れた呼吸の中で口を開けた。
「ボスは……お前が罪人ではなく…寧ろ被害者だと……言っていた」
「被害者?」
自らの立ち位置とはあまりに縁遠い言葉に反応した。
「俺も細かいことは……知らん…ボスに直接…聞くんだな。」
口を閉じると弱々しく右腕を上げると、岩に埋もれた通路に残り少ない力を振り絞り火の玉を飛ばすと、帰り道が開かれる。
「何故?」
罪人を裁くアグニーマンが何故自分を助けたのか分からず聞き返す。
「罪人に…手を貸すなんて…本当ならお断りだが、お前は違う…お前は罪人ではない」
黙っていたカインが口を開ける。
「俺もお前の言う罪人と何らかわんねぇよ…今まで腐るほど人を殺してきた」
「だが…根っからの悪人とは違う……本当に悪人なら俺の話を……黙って聞いちゃいない」
死が近いのか息はどんどん荒くなっていく。
「火に……囲まれて……死ぬのも…悪く…ないな…お前は行け…ボスと決着を…着けてこい!」
アグニーマンは静かに息を引き取った。カインはアグニーマンの瞼を閉じさせると、愛銃をホルスターから引き抜き、クリスタルに向かい引き金を引き、また一つクリスタルを砕く。アグニーマンの言っていたボスとやらが気になりながらも来た道を引き返していく。
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