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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 15 「騎士達の帰還」
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「さすがユーノくん」
「分かりやすい……ショウ」
「ああ……任せるよ」

 俺には充分な威力の砲撃を撃てる余力がない。撃てないこともないだろうが、撃った瞬間に魔力が尽きて海面に落下するだろう。
 高町とテスタロッサは並んで滞空し、デバイスの先端を管制人格へと向ける。

「N&F中距離殲滅用コンビネーション!」
「ブラストカラミティ!」

 テスタロッサが大剣を振り上げるの同時と、彼女達の周囲に次々と魔力弾が生成される。

「「ファイア!」」

 桃色と金色の砲撃が放たれ、ひとつの閃光となって管制人格へ向かう。砲撃が終了すると、生成されていた魔力弾が行動を開始。巨大な砲撃と雨のような魔力弾は全て直撃し、ナハトヴァールを食い破るように破壊していき、爆発に伴って大量の煙を発生させる。
 暗雲が立ち込める空に眩く輝く白光。そこから4つの光が出たかと思うと、それぞれ魔法陣が出現する。次の瞬間、巨大な光柱が走り収束と同時に4人の騎士達が現れた。そして、騎士達の中央にはやてが舞い降りる。

「夜天の光に祝福を! リインフォース、ユニゾン・イン!」

 はやての髪と瞳の色が変化し、白を基調としたバリアジャケットを身に纏う。
 岩盤へと降り立ったはやては騎士達と向かい合う。騎士達の顔には涙や申し訳なさが見て取れる。

「はやて……」
「うん」
「……すみません」
「…………」
「あの、はやてちゃん……私達」
「ええよ、全部分かってる。リインフォースが教えてくれた……まあ細かいことは後や。とりあえず今は……おかえり、みんな」

 はやては微笑みながら両手を広げる。ヴィータは少し間があったが、彼女に抱きついて名前を呼びながら泣き始めた。シグナム達はそれを温かく見守る。ヴィータが抱きついていなかったならば、俺がやっていたかもしれない。それくらい今の胸の内は感情で溢れかえっている。
 俺は剣を背中にある鞘に納めながら、高町達と共にはやて達の元へ降りる。高町が微笑みかけると、はやてもそれに応じる。
 黙ってはやてに近づいていくと、彼女は静かに微笑んだ。事件が始まってから今までのことを全て理解している、そんな風に見える笑みだ。
 俺は彼女の頬にそっと触れながら、同じように微笑みかける。

「無事で……良かった」
「うん……ごめんな」

 簡単な言葉であるが、それに込められた想いは大きいと分かる。はやての視線は俺の顔から左腕に移り、申し訳なさそうな表情を浮かべる。
 俺は右手で左腕に触れながら、できるだけ優しい声色を意識しながら話しかける。

「いいんだ……俺が望んで、選んだことだから。お前が無事ならそれだけで……」

 言葉が足りないような気もするが、今はこれだけで充分だろう。
 ――はやて達は
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