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久遠の神話
第九十九話 四人の決断その六

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「相当な力になっているよ」
「どれだけ強いでしょうか」
「多分だけれど」
 この前置きからだ、高橋は上城の顔を見据えてこう言った。
「君よりもね」
「強いですか」
「うん、闘ってきた数が違うから」
 それ故にというのだ。
「彼は相当な強さだよ」
「実はこの前です」
 マガバーンも話してきた。
「彼と闘ったのですが」
「どうでしたか?」
「危うかったです」
 こう上城に答えた。
「防戦一方でした」
「マガバーンさんでもですか」
「今の彼の強さは人のものではありません」
「神、ですか」
「それも荒ぶる神です」
 神は神でもというのだ。
「そこまでの強さです」
「荒ぶる神ですか」
「そうです」
 マガバーンはこう上城に話す。
「私の国の神々でいいますとシヴァになります」
「シヴァ、ですか」
「そうです、ヒンズーの三大神の一柱の」
「破壊の神ですよね」
「それだけに壮絶な力を持っています」
 創造、調和、破壊だ。どの神が最も強いかというとそれぞれの神を信仰する者によって主張が違っている。
「そのシヴァ神の様にです」
「強いんですね、今のあの人は」
「ラドンを倒されましたね」
「はい」
「そして中田さんにも勝たれましたね」
 マガバーンは上城に問うてくる。
「それにより貴方も相当な力を手に入れていますが」
「それでもですか」
「おそらく彼の方が上です」 
 加藤の方がというのだ。
「相当に」
「そうなのですか」
「ですから」
 今はというのだ。
「闘われることです、まだ」
「そして力を得てですね」
「彼と闘い」
 そしてというのだ。
「この戦いを終わらせて下さい」
「わかりました、それでは」
「私達も最後の闘いを経て」
「降りられますね」
「後は君だけになりますが」
「絶対に終わらせます」
 確かな声でだ、上城はマガバーンにも答えたのだった。その顔はこれまで以上に確かな顔で答えたものだった。
 そのうえでだ、大石は言った。
「では」
「それではですね」
「私達のことはご安心下さい」
「勝たれるのですね」
「そうしますので」
 それ故にというのだ。
「ご安心下さい」
「それでは」
「さて、どの怪物と闘うか」
 大石は微笑んでこうも言った。
「いささか楽しみであります」
「ギリシア神話の怪物も多いですからね」
「それも強力なものが出て来るでしょう」
 その怪物の中でもだというのだ。
「間違いなく」
「それでもですね」
「私達は勝ちます」
 四人全員がというのだ。
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