黒と緑の攻防
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の祭り。
(!?しまっ……)
全ての盾が消失してしまい、無防備な俺に槍は迫ってきた。投影をしようにも魔力がカラッポの上に俺の投影スピードでは間に合わない。
「熾天覆う七つの円環!!」
しかし、俺に激突する瞬間、目の前に完全な熾天覆う七つの円環が作り出された。
ギンッ!
盾は槍を受け止め、 一枚、二枚、三枚、四枚とその花弁を散らし、五枚目にヒビが入ったところで、槍の勢いが消え、持ち主である相手の手に戻っていく。
「ふぅ…………どうやら、ギリギリ間に合ったようだ。無事かマスター?」
「ああ、助かったぜアーチャー」
俺の時間稼ぎが功を奏したのか、本当にギリギリのタイミングで間に合ったアーチャー。き、肝を冷やすところじゃない…………本当にダメかと思った。
「………………安心しているところ悪いがマスター」
アーチャーは干将・莫邪を構え、警戒を未だに解いていない。相手は再び槍を二本持つと構えも取らずにその場にじっと佇んで俺たちをみている。というか睨んでいると言った方がいいのかな?顔がわからないため判断のしようがないが。
「…………一つ尋ねるがあそこにいるのに間違いないだろうな?」
あっ、そうか。アーチャーには相手の姿が見えないんだ。
「ああ、俺もはっきりとは見えないが、あそこにいるのは確かだ」
しかし、あのコードキャストを使ってもうずいぶん時間が経った。そろそろ効果が消える頃だ。疲労困憊のこの体では、もうコードキャストや投影を使えない上、ろくに動けもしない。状況は悪くなる一方だ。
「心配するな。後は私の仕事だ。マスターは後ろで堂々としていろ」
俺の考えを読んだのかアーチャーはかばうかのように前に出た。今はこいつに頼る他ないな。
「…………………」
それと同時にタタタンタタタンという独特の音が聞こえてきた。これは蹄の音?その音の主は、暗闇から姿を見せた。黒い馬だ。見上げるほどの大きな黒馬。暗闇から出てきたせいかわからないが、不気味でしようがない。
「…………………時間か」
突然、機械で作ったような声が聞こえてきたかと思えば、風が吹き、二本の槍を持っていた影が姿を現す。
不可視をといた相手の姿は、一言で表すなら黒。全身を黒い鎧に包み込み、顔を兜で覆った人物が立っていた。不気味ででしょうがない。なんなんだこいつは?
「貴様は何者だ?」
アーチャーは警戒心したまま、質問を投げかけるが
「…………………」
相手は喋りもせずに馬に飛び乗ると、一度だけこちらの方を向くと走りだし暗闇に消えていった。しばらくして、完全に相手の気配が消えると緊張が解けたのか、尻餅をついてしまう。
「な、なんだっ
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