黒と緑の攻防
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でもなく、見たことないものがそこにはあった。
(鞘?)
青く神々しい鞘がそこにはあり、それが防壁となっている。あんなもの俺は知らない。でも、何処かで……………?
《二回戦 五日目》
気がつくと天井に向かって右手を上げていたことに気づく。あんな夢を最近よく見る。しかし、そんははことよりも気になるのは、あの鞘だ。あの神々しい鞘が気になってしようがない。
(アーチャーなら何かしているはずだ)
詳細を知るため、起き上がろうとすると、体が重く感じる。やっぱり、昨日の戦闘は少し無理をしすぎたかな。
出来るだけゆっくり起き上がると何時もの場所で寝ているアーチャーの方を見る。すると
「ちょ、や、やめてくれ……………俺が悪かった……………い、嫌だ…………これ以上は無理だよ遠坂!オレにだって………………色々とやることが……と、遠坂さん?その宝石剣で何を……………」
悪夢を見ているのか、体を震え歯をカチカチと鳴らし、恐怖に怯えているアーチャー。
多分、俺の記憶を見ているのだろう。それとも、自分の体験とシンクロして、トラウマでも思い出したか……………かわいそうに今助けてやるからな。
「おい、起きろ」
肘打ちをアーチャーの鳩尾に打ち込む。マスターの優しさで腕に強化をかけた状態でな。
「ゴ、ゴホッ!ゴホッ!な、なんだ鳩尾を打ち抜かれたようなこの痛みは!!なにをした!?」
「いや、何も。おはようアーチャー。少し聞きたいことがあるんだけど」
自分でも白々しいとわかるくらいの笑顔で挨拶をする。アーチャーは渋い顔になった。
「なんだ?まさか、些細なことで起こしたのではないよな?えっ?マスター?」
言葉を発することに、怒りの色が露わになっている。余程、いきなり起こされたのが、嫌だったんだな。………………叩き起こしたことは反省しないが。
「いやさ、青い鞘について知らないか?」
「…………………青い鞘だと?」
な、なんだ?アーチャーの雰囲気が何時もと違う。片手を顎に当てて何かを考えている。思い当たる節があるのか?しばらく長考した後、
「…………………そのようなもの私は知らん。何故、そのようなことを?」
「いや、夢で出てきたからさ」
「…………………それだけか?」
「それだけだ」
「………………」
アーチャーは無言で立ち上がり、握った右手の上に左手を乗せ、不良がよくやるようなボキッボキッと指の関節を鳴らし、
「ふ、ふふふふふふ」
「ア、アーチャー?」
笑い出すアーチャーに少しだけ恐怖を覚え、俺は一歩後ずさる
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