黒と緑の攻防
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『第二暗号鍵を生成。第二層にて取得されたし』
一旦マイルームに戻り、端末を調べてみると第二層に入れると通知が来ていた。今日から第二層の詮索が始まる。
「アーチャー、アリーナに行くぞ」
「…………………」
何時もの定位置に座って腕を組んでいる。仏頂面で、目をつぶっているから寝てはいない。聞こえてないということはないし、無視かよ……………。
「おい、アーチャー!」
少しカチンときたので少し大きな声で呼ぶと
「ん、ん?な、なんだ?」
俺の声が聞こえてなかったのか少し驚いたように慌てて返事をするアーチャー。反応を見た限り、どうやら、わざと無視しているのではなく本当に考え事に没頭していたようだ。
「さっきから、考え事しているけど?お前らしくないぞ」
「たいしたことではない。気にするな」
それだけ言うと、実体化を解いて消えてしまった。う〜ん、なんなんだろう?気になるが聞いてもはぐらかされるだけだし。気にしないでおこう。
マイルームを出て階段を降り、アリーナへと足を進めると
「あっ!衛宮君みっけ!!」
藤ねぇがどこからともなく出現。わかってたさ。そろそろ来る頃だって……………。
「ねぇねぇ、柿見つけといてくれた?」
「ああ、見つけたよ」
端末を操作して、ダンボールに入った柿を取り出す。それを見た瞬間、藤ねぇの目が光り、満面の笑みを浮かべ
「ありがとう衛宮君!………………実はもう一個お願いがあって」
「………………なに?」
嫌そうな表情になるのを必死で押さえできるだけ自然体の笑顔で尋ねる。
「引き受けてくれるの?ありがとうねえ。実はメガネをアリーナに落とした子がいて、困ってるのよ。アリーナの二層にあるのはわかるんだけど、アリーナでメガネを見つけたら持ってきてお願いね!!」
用件だけいうと藤ねえは柿を早く食べたいのか、ダンボールを担ぎ何時もよりも二倍速で走り去っていく。食いものにたいする欲求は俺の知っている藤ねえのそのものだ。
『大丈夫なのか。あの柿』
アーチャーが心配そうに呟く。結構な量の柿が入っていたけど、まあ、藤ねえならあのくらいの量おやつにも入らないだろう。
(別に心配することじゃないだろ?藤ねえだしあのくらい食べれるだろ)
『いや、私が心配してるのは柿の状態のことなんだが…………』
(状態?………………あっ!)
アーチャーの言いたいことが何と無くだがわかった気がする。
長年の付き合いでわかっていることだが、藤ねえはもし物を無くしたら、ひとまず一日中自分で探す。
それでも、見つからない場合は、その次の日他の人に助けてもらうのが何時ものパターン。
あの藤ねえが本物そっくりの性格をし
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