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獣退治
第六章

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 一気で進む、列車砲を見つけ。
 その列車砲に向かってだった、クレイドルは言った。
「いいな、今からだ」
「はい、いよいよですね」
「攻撃を」
「全機攻撃用意」
 クレイドルは遂にこの指示を出した。
「いいな」
「了解」
「それじゃあ」
 部下たちも応える、そしてだった。
 全機で列車砲、幸いにして彼等に気付いていないのか線路の上で眠っているだけの巨獣の上に爆弾の雨を降らした。忽ちのうちに爆発が続けて起こった。
 その爆発を後ろに見ながらだ、クレイドルは言った。
「よし、後はだ」
「はい、撤退ですね」
「今から」
「いいか、元来たコースを引き返すがだ」
 敵の対空陣地は通る訳にはいかなかった、攻撃を終えた以上彼等の存在が気付かれているのは明らかだからだ。
「速度はな」
「全速力ですね」
「そうだ、もう爆弾も捨てた」
 重くなる要素のこれをだというのだ。
「だからな、身軽になった分な」
「全速力で、ですね」
「逃げますか」
「後は生きて帰るだけだ」
 全員、というのだ。ここでは言葉には出していないが。
「いいな、逃げるからな」
「はい、じゃあ」
「後は生きて帰りましょう」
 攻撃の確認はした、列車砲は爆撃の炎の灯りの中で四散していた、それを撮影もし作戦成功を確かめた。
 それでだ、彼等はというと。
 一気に逃げた、全速力だったが。
 その後ろからだ、敵が来た。最後尾の機体から報告があがった。
「敵機です!」
「何機だ!?」
「三機です!」
「三機か」
「はい、双発ですから」
「メッサーシュミット110だな」
「多分そうですね」
 部下もその敵機を見つつだ、こう報告した。
「とりあえず来たのは三機で」
「双発だな」
「はい、それじゃあ」
「構うな」
 迎え打つことはしないというのだ。
「いいな」
「はい、下手に構うと」
「余計に来かねないからな」
 敵機がだというのだ。
「まだな」
「ドイツ空軍の数は減っていても」
「来る時は来る」
 その辺りは油断出来ないというのだ。
「だからだ、いいな」
「はい、わかりました」
「このままですね」
「敵は見ろ、しかしだ」
「迎撃はですね」
「しないですね」
「モスキートだ」
 彼等が今乗っている機体のことも言った。
「速さでは相当だからな」
「ですね、有り難いことに」
「それを活かして」
「逃げろ、コースは先導する」
 行きと同じくというのだ。
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