五話
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カミチ〜
「ん〜、僕の出番はないかな?」
高等部とのいさかいを止めにきたネギ君を遠目で見ていたけど、どうやら上手く事は済んだようだ。いざとなれば出て行こうと思っていたが、その必要もないらしい。
「何をしている」
「エヴァかい?」
後ろから声をかけられる。……気付かなかった。さすがエヴァ、と言うべきか自分の未熟さを恥じるべきか。
「何を考えているのか知らんが、アレを見ていたのか? ご苦労なことだ、アレならよほど下手な真似はせんだろうに」
「まぁ、分かってはいるんだけどね……」
昔からネギ君は大人びて……いや、大人だった。そこらの大人、それこそ僕よりもよっぽどだ。最初は戸惑ったものの、今ではそれが彼だと認識してしまっている。……ナギとは大違いだ。
「所でタカミチ、もうすぐ学年末テストだな」
「ああ、それがどうかしたのかい?」
「もし”教育実習生”のネギ先生が最下位から脱出させるような事があれば、正規教員の面目丸潰れだな」
「な!?」
それは……まずい。ただでさえ新田先生にも出張が多いとはいえ担任としてもう少しどうにか出来ないか? と言われているのだ。ベテラン教師であるあの人にはかなわない。もしかしたら、お叱りを受けることもありうる。
「くくく、貴様のアホみたいな顔が見れて満足だ。それではな」
「あ……」
遊ばれた、のか。僕もまだまだだな……
〜おしまい〜
「あんた達の校舎隣じゃない! わざわざ中等部の屋上に来るなんて!」
ドアノブに手をかけたところで聞こえてきた怒声。先ほど一騒ぎあったというのに、もう次が来たのだろうか……このまま反転したいと思いながらも、教師としての義務からゆっくりとドアを開け放った。
「龍宮、これは一体何の騒ぎだ?」
「先生か、真名でいいと言ってるだろう?」
「公私の区別はつけるべきだろう?」
これまでに数回あった真名の言を軽く流し、話の続きを促す。いつもの如く説得は無理だと判断したのか、真名はすぐに状況を事細かに説明してくれた。
「なるほど、そういうことか」
先に佐々木達にちょっかいをかけていた高等部の者達が半ば……いや、ほぼ間違いなく嫌がらせのつもりで屋上のコートを陣取っていたらしい。全く、ご苦労なことだ。
「先生、そろそろ行かなくていいのか?」
「む? ああ、アレは不味いな。止めてくるとしよう」
真名と話している内に両者達の間には一触即発の空気が漂っている。これ以上放置していては取っ組み合いの喧嘩に発展しかねない。
「そこまでだ」
「な!? アンタは!?」
「アンタ、何でここにいるのよ!」
正直、耳が痛い。
「コートについて争っている
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