五話
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た。
「なっ!?」
「君達が何をしていたのか私の知る所ではないが、少なくとも今の行為が褒められたものではないことぐらいは分かる。それで、だ。君達は私のクラスの生徒に何をしていた?」
私の現在の見た目は十歳の子供。侮られない様に若干の威圧をこめて言葉を発する。説教時の新田先生にも及ばないそれだが、彼女達には充分だったようだ。どこか余裕がなくなったかのような顔をしている。
「ネギ先生!」
「助けてくれたの?」
「佐々木と和泉に呼ばれたからな。最も、大河内の時は間に合わなかったが」
視線を高等部の女子生徒達から外さずに答える。一向に答えない彼女たちだが、それでは後ろめたい事をしていたと言っているようなものだと理解しているのだろうか。視線を反らさない私と答えない彼女達。互いに動かぬまましばしの時間が過ぎた。
「くっ! 皆、帰るわよ!」
動かぬ状況に耐えかねたのか、リーダーと思われる人物の言葉を合図に逃げる様に立ち去って行った。此方としては、簡単に事が終わってくれてラッキーだった。
「ちょっと! 大丈夫!?」
「ネギ先生! ご無事ですか!?」
「む?」
振り返って見ればそこには佐々木が神楽坂とクラス委員長である雪広あやかを引き連れていた。明石を助けにいったころから一つ気配が離れていくのは感じていたが、どうやら彼女がこの二人に助けを求めに行っていたようだ。
「少なくとも、私は全く大事ない。大河内と明石、君達はどうだ?」
「私は大丈夫だよ」
「うん、私も」
どうやら二人も大した怪我はないようだ。過剰に心配してくる雪広を適当にあしらいながら安堵の息をつく。
「四人には話を聞いておきたいのでこの後職員室についてきてくれ。神楽坂と雪広、とりあえず問題は解決した。わざわざ来てくれた事に感謝する」
全てはネギ先生のため! 別にアンタのために来たんじゃないわよ! 等の声を背に、私は四人を引き連れて職員室へと戻った。
「ネギ先生」
「新田先生、どうしました?」
教育実習生としての仕事で報告書の様なものを記入していたのだが、そこに声がかけられる。鬼の新田、生徒達からそう恐れられている教員だ。最も、同じ教師である私から見れば生徒思いの素晴らしい人なのだが……
「2-Aの体育の授業なのですが、担当教員の息子さんが突然高熱を出したそうで帰ってしまったので、代わりに監督をして欲しいんですが……よろしいですか?」
「分かりました。場所はどこですか?」
「屋上でバレーだそうです。それでは、よろしくお願いします」
自分の業務に戻る新田先生に一礼し、書きかけの書類を手早く片付け屋上に向かった。
おまけ〜見ていたタ
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