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幸せという言葉は
第三章
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「一度この娘とじっくり話をしてみるか」
「ロバート=ハイネセンさんでしたね」 
 ベッキーからだ、ロバートに言って来た。
「そうでしたね」
「はい、高校で理科の教師をしています」
「そうですか、それでは」
「それでは?」
「叔父様のお話通り」
 こう前置きしてからの言葉だった。
「礼儀正しい方ですね」
「そうだ、彼はうちの学校でも評判の先生なんだ」
 校長はベッキーに笑顔でこう答えた。
「だから御前にも紹介したんだよ」
「そうですか。それでは」
「私は予定がある」
 校長は適当な理由をここで出した。
「だから後はな」
「私達で、ですね」
「楽しんでくれ」
 完全にだ、二人に任せるというのだ。
「何処でもな」
「わかりました、それじゃあ」
 ベッキーは笑顔で彼女の叔父の言葉に応えた、そしてだった。
 校長はその言葉通りその場から消えた、後に残ったのはロバートとベッキーだけになった。するとすぐにだった。
 ベッキーは優しい笑顔でだ、こうロバートに言って来た。
「あの、それでは」
「今からですね」
「何処に行きますか」
「そうですね、この公演は何度か行ったことがありますけれど」
 ロバートはまずは公園の中、自分の周りを見回した。そのうえでこう答えた。
「いい公園です。特に池が綺麗で」
「池に行ってですね」
「ボート乗りませんか」
 こう提案するのだった。
「そうしませんか」
「わかりました、ボートですね」
「はい」
 ロバートは紳士的な口調でベッキーに答える。
「今から行きましょう」
「それでは」
 二人で公園の池まで行きボートに乗る、ロバートはその太い両腕でそれぞれのボートを手にして漕ぐ。ベッキーはその彼の向かい側に座り穏やかな笑顔でこう言ってきた。
「漕ぐのがお上手ですね」
「実はカレッジまでボート部にいまして」
「それでなのですか」
「はい、漕ぐことには慣れていまして」
 これは本当のことだ、ロバートは大学までボート部にいて選手だったのだ。ボートと理科に青春を費やしていたのだ。
「それで今も」
「漕ぐことはですか」
「得意です」
 そうだというのだ。
「今も時々こうしてボートを楽しんでいます」
「そうですか。ではこのお池」
「今もたまにです」
 こうしてだというのだ。
「楽しんでいます」
「そうですか、いいお池ですね」
 青く澄んでいてとても静かだ、周りにある木々は緑で茶色の枝や幹と合わせて三色で穏やかな風景を彩っている。
 その池と周りを見てだ、ベッキーは目を細めさせてロバートに話した。
「私もこの公演は好きで何度か行っていますが」
「このお池はですか」
「こうしてボートで中に入るのは」
 今がはじめてだというのだ、そしてそのはじめての
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