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SAO編−白百合の刃−
SAO14-聖紅の矛
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んでもないわ」
「ごめんなさい、冗談だから視線をこちらに向けないでください」
「嫌」
「なんでこう言う時だけ、私を見るの!?」

 ……冗談はさて置いて、本当に帰りましょうか。

「じゃあ、そんな私はさっさと退場……」
「待って」

 別れの挨拶をしてから帰ろうとした時、ドウセツに呼び止められた。

「最近は泊めて泊めてって、うざいくらいに迫ってきたのに、最近は訪れないし、今日は何も言わずに自分から家に帰るなんて……どうかしちゃったの? 大丈夫?」
「そこまで私非常識な人じゃないよ? あと、そこで心配しないでほしいんだけど」
「嘘」
「嘘って、なんだよ! ほんとだよ!」

 センリさんの撮影が終えたあの日から今日まで私は自宅で睡眠をとっていた。ドウセツの家に行かなかったのは特に理由はない。泊りに行き続けるのも悪い気はした。
 といっても、本当はちょっと考え事をしていたのもあるんだけどね。

「つか、ドウセツこそどうしたの? 最近はいつもより優しいし、体育座りなんか初めて見た」
「体育座り関係ないでしょ?」
「なんか新鮮だなって」
「うるさい」
「すみません」

 そもそも私が帰る時に呼び止められたのが変なんだよね。ドウセツが実は優しいことは知っているけど……今のドウセツには何かが消えているように見える。
 すると突然ドウセツ顔を膝に埋め込むように俯いた。

「ドウセツ?」
「黙って聞いて」

 表情は見えない、声音は変わってない。だけどドウセツを見てどこか怯えている姿勢が、“過去の自分”と重なって見えてしまった。

「何を思っているのか自由にして、でも口には出さないで、それを含めて今日は…………泊まってほしい」
「ドウセツ……」
「お願い……」

 性格も外見も全然違うけど、ドウセツを見て“あの日の出来事”が浮かび上がった。

「……うん」

 私はそんなドウセツに理由を訊かず、言われた通りに承知した。例えドウセツが聞かないでと言わなくても、私は何も訊かずに頷いていたと思う。
 今のドウセツには理由よりも傍にいたほうが良いから。



 その後のドウセツはと言うと、いつも通りよりも、毒舌が増していたような気がする。それでも元気は取り戻したようだった。夕食を頂いて、二人で写真集を見たりして、くだらない会話に時間を使った。気がつけばもう眠る時間まで経ち、私達は明日の血聖騎士団の活動に備えて、眠りにつこうとした。
 けど…………眠れなかった。

 どうしても、明日のことを考えてしまう。明日になれば、ソロプレイヤーから血聖騎士団の一員として活動しなければならない。その時、私はいつも通りにやれることができるのだろか。
 本当はそんなこと考える必要はないと思う。でも、
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