SAO編−白百合の刃−
SAO14-聖紅の矛
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でも、そんなの意外に簡単なものである。
「勝てば丸く収まるでしょ?」
「いや、そうだけどさ……その……いいの?」
「いいから離れなさい。みじん切りになりたいなら別だけど」
「いや、巻き沿いで私を野菜みたいに切るなよ!」
キリカは文句を言いつつも、離れてデュエルを観戦する位置に移動した。
私の場合、居合いで速攻に仕留めるのが得策ね。キリカみたいに『絶対回避』は出来ないしデュエルに『赤い糸』は使えない。
「ドウセツの居合いってゴエモンみたいに剣閃がすごいんだったわね。だから、最初から本気の本気でやらしてもらうね」
「どうぞお好きにしてください」
「そうね。お互いに見守る恋人がいるから頑張りましょう」
もうすぐ始まるのに、イリーナさんは私をからかう。私なんかにからかって何が楽しいんでしょうね。
「私に恋人はいませんし、イリーナさんもいないですよね」
「比喩表現よ」
「こんな時でも戯言やめてください」
「戯言はいいすぎよ。あ、もしかして照れてる?」
「面倒くさいので速攻で決めます」
「それじゃあ、わたしも速攻でドウセツを入団させることにしましょうか」
『DUEL』の文字が浮かび上がると同時にお互いが距離を詰め武器が交じり合った。そこから私とイリーナさんはインファイトを繰り広げる結果となってしまった。
それでも勝てば問題はない。
●
「ねぇねぇ、似合っている?」
私は巨大な真紅の十字模様が染めている純白と真紅のラインが入った、血聖騎士団のユニフォームを着てドウセツに見てもらった。
「そんなに変わらないでしょ」
「それはそうだけど、似合っているの?」
「はいはい、似合っている、似合っているわ」
似合っているなら、ちゃんとこっちを見て、もうちょっと感情を込めて言ってよ。ラインが黒から赤に変わっただけでも違いとかあるにはあるんだよ。
「ハァ……私もあれを着るのね」
「あれ、ドウセツは所属していた頃はずっと着ていたじゃない」
「着ていたのと、もう一度着るとでは違うのよ」
あれかな? 高校を卒業した青年が制服を着るのに抵抗があるような感じかな? わからないけど、ドウセツはもう一度血聖騎士団のユニフォームを着たくはないらしい。でも、仕方ないことだから割り切っているところもあるだろう。
「こんなことなら、挑まなければよかった」
「そんな今さら……」
「あなたが負けたからこうなったのよ」
「すみません……」
ドウセツはベッドの上で体育座りをして嘆息する。
私が勝っていれば全て丸く収まるはずたったのに、負けたことでドウセツも巻き込んでしまったのは申し訳ないと思った。ドウセツが決めたこととはいえど、私が勝っていればこんなことにはならなかった
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