SAO編−白百合の刃−
SAO14-聖紅の矛
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たりして攻防戦を繰り広げていたが確実に圧されていた。イリ―ナさんが緩むことなく攻撃を繰り返せばキリカは確実に崩れる。そんな流れにキリカは上手く『絶対回避』を使用し、流れを一気に変えさせた。それで勝利が決まったと思いきや、イリーナさんは『絶好回避』をまるで“知っていた”かのように体を回転させ、合わせ鏡のように足を動かし、そして隙だらけになったキリカに決め手を与えた。
それはデュエル終了を告げる一撃。システムメッセージが浮かび上がり、キリカの敗北が決定した。
「…………キリカ、貴女負けたわよ」
「知っているよ! 慰めの言葉とかないの!?」
「ない」
「ドウセツが冷たすぎるよ!」
「私、そんな暖かくないので」
「そんなこと言わないで、さ……良くやった、えらいえらいからの撫で撫ではないの?」
「ない」
「むぅ……」
なんで私が慰めの言葉を……気持ち悪い。相手の悪口や皮肉を言うほうがスッキリする。
心配して損したわ。案外立ち直っているみたいだし、いつものバカっぽいキリカだって言うことがわかるわ。
「いや〜……完敗です、イリーナさん」
「そんなことないよ、避けを読んでいなかったら危なかったわ」
「私もまだまだ甘かったんですよ。だから、負けたのを気に血聖騎士団で力をつけたいと思っています」
「そっか……最初ギルドに慣れないど、頑張ってね」
「はい!」
…………昨日言ったことが台無しになってしまったね。負けるつもりはないと言うも負けてしまった。キリカは大丈夫だと言ったけど……本当に大丈夫かしらね。大人数のギルドで行動することに対して大丈夫だと言うことに対して、キリカは答えなかった。
今も負けたのにも関わらず、切り替えて明るく振る舞い笑顔になっているが……本当に切り替えているのかしらね。
はぁ……なんでこうなるのかしらね。もっと冷酷かつ外道な悪人が羨ましいね。
なんで私は、悪に染められないのかしら。
「……イリーナさん、お願いがあります」
「何かしら?」
母性を表す優しい眼差しかつ全てを悟る瞳。私の言うことがわかっているから彼女も苦手だ。
「私が勝ったら、キリカを脱退させてください」
「ど、ドウセツ?」
キリカは私がイリーナさんにお願いしたことに驚いていた。それは当然の反応だった。でも、イリ―ナさんは私が言うことを知っているかのように、驚きはせずに知ったつもりで対応してきた。
「いいわよ。だけど負けたらドウセツは再入団、それでもやる?」
「わかりました」
デュエルメッセージが出現し受諾をする。先ほど同じ初撃決着モードで終わらせる。
「ドウセツ? なんで!?」
キリカは私がこんなことするのが意外だと思っているだろう。私も普段こんなことはしない。
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