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SAO編−白百合の刃−
SAO14-聖紅の矛
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を構え直すと、イリーナさんの表情がニヤッと唇を吊り上げていた。
 
「そうやって笑っていられるのも、今のうちだけだよ!」
「フフッ。それは逆に笑っちゃうかな」

 薙刀スキル『刹牙』隙の少ない重撃を右からなぎ払う。

「このっ……」
「危ない危ない……」

 危機一髪、イリーナさんは瞬時に片手剣で受け止めて、休む暇もなく受け流しながら接近してくる。
 リーチの長さなら、圧倒的に薙刀を持つ私の方が有利。有利になるだけで勝つとはイコールしない。私がスキルを使っても、イリーナさんが上手く受け止められてしまう。だから、私は接近しすぎないように射程範囲を保ちながら攻撃すれば、私がダメージを与えずに、防いで小ダメージを受けているイリーナさんは長く戦えば勝てる。
 相手のHPバーがじりじり削れているとはいえ、強ダメージを受けてしまえば負けるから、絶対に気を緩めたら全てが終わってしまう。イリーナさんが何もしないで終わるわけがない。
 私は何度も隙の少ない『刹牙』のラッシュで距離を取り、回避で攻撃を避けることを繰り返して十回ぐらい超えた頃だった。

「そう何度も……」

『刹牙』が喰うタイミングピッタリに後ろ下がって、一気に加速して突き刺そうと仕掛けてきた。

「通用しないわ!」

 突き刺すと見せかけて通り過ぎ、私の後ろに回って水平に斬りつける『ホリゾンタル』を繰り出してきた。
 対処として、力いっぱいに体を回しながら薙刀で彼女の片手剣を斬りつけるように振ると、お互いに弾かれ、一旦後ろに引いた。

「流石ね。久しぶりに必死になったわ」

 必死と言いながら涼しいそうですね。まだまだやれますって顔している。あー……さっきの動作で弾かずに絶対回避を使えばよかったかぁ…………イリ―ナさんの涼しそうな表情を見ると焦りが生んでしまいそうで嫌だな。リーチも長くHPのバーも私の方が有利なのに、なんか逆に私が追い込まれている気分だ。
 全然安心出来ない。むしろ不安が増してくる。イカンイカン。

「それはありがたいですね。でも、勝つのは私です!」

 思考を切り替えて一歩目を踏み出した時だった。

「これでは、負けてしまうから…………本気の本気を出すわ」
「え?」

 本気の、本気……だと?
 透きとおり過ぎるくらいの声音は耳に届いて、体中に響き渡り足を止めてしまう。その言葉の意味を私は、イリーナさんの行動によって驚かされてしまった。

「そんな……」

 冷静なドウセツも目を見開き声が漏れてしまった。

「じゃあ、“改めて”自己紹介するわね」

 イリーナさんは片手剣を左手に持ちかえ、右手には片手斧を装備していた。そうそれは、私達が知る『二刀流で、剣と斧を使う』人物でもあった。

「お久しぶり、『
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