SAO編−白百合の刃−
SAO14-聖紅の矛
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癖もない強者に通用するのは、圧倒的な力か想定外の奇襲だと思う。想定外のことに対しては、どんな強者でも隙を作れるはずだ。
作戦としては、一発目から『絶対回避』で硬直時間が少なく、かつ相手に確実に当てられるスキルで勝利する超速攻戦法で行ってみるか。
カウントダウンの数字は3から2から1へと減っていき、0と同時に『DUEL』の文字が閃いた。
「…………」
「…………」
…………。
う〜ん…………攻撃して来ないのね。参った。
「どうしたの、キリカ? もう始まっているわよ」
「そんなのわかっていますよ!」
イリーナさんは片手剣を前に突き刺すように構えているだけ、まるで石像のようにびくとも動かない。見破られているかどうか知らないけど、まさか攻撃を仕掛けてこないせいで、こっちが想定外になってしまった。
どちらも守りから入れば長引くだけかぁ…………仕方ないから、こっちが攻撃するのもありかな?
先手を取る方法でも奇襲は用意出来る。スキルを使わずに薙刀で斬り、イリーナさんがスキルを使った瞬間に絶対回避を……。
「っ!」
攻撃に移ろうと考え中だった思考を割り込むように、イリーナさんはこちらに接近してきて、攻撃を仕掛け始めた。
私は瞬時に思考を切り替えて、守りでの奇襲を想定する。イリーナさんは左手に持つ剣を急に右手に持ち変える。持ち変えた意味は思考を鈍らせるノイズのようなものだと、想定する。イリーナさんは片手剣のスキルを使用すると推測した私は当初の作戦通りに仕掛けようと……と考えた。だが、行動にしては単純だと悟ってしまった。
イリーナさんはスキルを使わず姿勢を変えずに後ろへ下がる。
フェイントか。
「だと思った?」
「!?」
イリーナさんの唇が吊り上げる。そして一気に加速して攻撃をしてきた。
まずい、避け切れない!
「はあぁぁっ!」
イリーナさんは右手の単発重撃攻撃の『ヴォーパル・ストライク』、ジェットエンジンめいた金属質のサウンドと供に、赤い光芒を伴った突き技を繰り出した。
「ぐっ!」
何とか薙刀の刃で受け止めるも、轟音と共に地面に引きづれながら後ろへ飛ばされてしまった。
あぶなっ。
危うく『絶対回避』を使用する前にこちらが速攻でやられるところだった。HPバーは少し減ったけど、『絶対回避』も使わずに済めた。だからって、戦況が有利になるわけじゃないんだけどね。
想像もしたくはないけど、イリ―ナさんは思わせぶりで、私の『絶対回避』を潰としているんじゃないかと思う。それか私がいろいろと考え過ぎなのかもしれない。それをイリーナさんは想定していると怖いわね。
だったら、いろいろと考えずに、単純にわかりやすく力で示しょうかね。
薙刀
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