偽りの大徳
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溢れかえった。
ただ……曹操さんが大きく口を引き裂いた事だけが、私の心に苛立ちと焦燥を落としていた。
†
諸葛亮、あなたの負け。
あの男はこれで一度壊れかける、もしくは壊れてしまう。
それを直すのは私の役目。
それを包み込むのは私の仕事。
それを呑み込むのは私だけしか出来ない。
劉備に切り捨てる事を選ばせればよかったのに。
そうすれば徐晃はきっと……最後の最後まで私に抗う事もあったでしょう。
内に隠し持った刃を研ぎ続けて最後に歯向かうようになるか、私の思想に浸かって想いの鎖から解き放たれるかの賭けを出来たのに。
徐晃は劉備を異質な程に信じている。自分の在り方を曲げてまで、偽りの大徳を演じている。
だから、信じて貰えなかったとなるとどうなるのかしら? 信じるに足りないと突きつけられたらどう思うのかしら?
私なら、徐晃の事を信頼して、私の為に動いてくれると信じぬいてその背を送り出したでしょう。共に戦うモノを信じられなくてどうするのか。
責任と死者の想いによる重圧によってあの男が壊れるかどうかだけが不安だが……そうね
きっとそれは……鳳統次第なのかもしれない。
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