勝手に25巻(にあたる部分) 第一話
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灯る。
「いえ、せっかくですからツェルニを卒業してから帰りますので」
悪い予感がしたのか額に若干汗を滲ませながらの答えるがそれは正しかったようで少し残念そうなアルシェイラ。
「レイフォン、あんたは」
「僕は皆が心配なので一度グレンダンに、ツェルニにはその後戻ります」
「そっそれじゃ今の話、大事なことだけでいいから周りの都市に伝えといてよ。細かい事はどうでもいいわ」
「わかっております、陛下」
そんなグレンダン出身者の横でニーナも一つの動きをしていた。
「メルニスク、アーマドゥーン、ジシャーレ、テントリウム、ファライソダム」
呼ぶ声に応えて五体の電子精霊が姿を現す。
「お前たちはどうする、とりあえずの危機は去った。いずれ私と共になるかもしれないが、もう私に力を貸さねばならない理由もない。自由にして構わないのだ。これまで私の力になってくれた事に礼をいう」
最初に動いたのは雄々しき角を持つ雄山羊の姿をした廃貴族、メルニスクだった。この中でニーナと最も長い間共にいる電子精霊でもある。
『我は汝を主と誓った。それを破棄させることは何人たりとも、主といえども出来ぬ。我が誓い終わる時あらばそれは我か汝かが滅する時のみ、だが汝が滅せし時は我もまた滅する時ぞ』
重々しく述べるとニーナの前に頭が地につくほど深く下げる。
頭を上げるとニーナと眼を合わせ、不意に消え去る。ニーナの中に戻ったのだ。
「有り難う。これからも頼むぞ、メルニスク」
それに応えるようにニーナの中でメルニスクが一つ大きく脈打つ。
続いたのは の姿をしたアーマドゥーン。大祖父から受け継いだ四体のなかでリーダー格だと思われる個体だ。
『私たちはあの人からあなたに受け継がれました。今、貴女を主とすることに異存などありせん。私たちはあなたの道が終わる時まで共にありましょう』
小さく礼をとるとそのまま消える。他の三体もそれぞれに礼をとると消える。皆、ニーナの中に入っていったのだ。
「それじゃニーナ、私たちも戻りますよ。陛下たちはもう戻って後は私たちだけです」
それに辺りを見回すと言葉通りいるのは自分とクララだけでグレンダンに戻る者は遥か遠くにいる。
「ん、あの二人もグレンダンに行くのか。それにしてもレイフォンの奴、一言くらいあってもいいだろうに」
「あの二人はグレンダンの奥の院、サヤさんがいたところに入るそうですよ。それとレイフォンは仕方ないでしょう」
「何故だ?」
「あれだけ重々しい雰囲気で話をしてるのに横から口を挟めるもんですか。でなけりゃちゃんと一言あったと思いますよ。ってだから早く戻りますよ、途中で切れて汚染物質に焼かれるのなんて私は御免ですから」
グレンダンよりツェルニのほうが遠い、二人とも剄で強化して道を急ぐ。
周囲に集まってきてい
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