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王道を走れば:幻想にて
第三章、その3の3:三者の計画
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?」
「そ、そんな下世話な事じゃない!もっと大事で、肝要な事が決まったんだと言っているのだ!私にとっては天地開闢よりも重大で且つ大いなる意味のある事でーーー」
「はいはい、理解してますよー。王国再編大変ですねー」
「・・・お前ノダガーは粗末ダナ」
「ぐぅっ・・・」

 ぎりっと歯噛みして無意識の内に憎悪の篭った視線を返すも、ビーラはトカゲの肌をぽりぽりと掻くだけである。寝台に撒き散らされたカードを掻き集めながらアダンは問う。

「で、何時決行するんだよ?」
「ふ、ふふふっ!聞いて驚き給え諸君っ!決行日は七日後の昼時!『拝礼の儀』が行われるその瞬間に地図を盗み出すぞ!!」
「・・・なんでその日なんだ?」
「当日行われる儀式には礼拝中の警備のために人員が何時も以上に割かれる。よって地図がある聖鐘の警備がある程度緩くなり、地図の奪取がより容易となるのだ」
「どうやってヤル心算ダ?」
「計画はこうだ」

 ごほんと、わざとらしく咳払いをしてチェスターは表情を引き締めた。寝台の二人もカードを片付ける傍ら、話を傾注する用意を整える。

「先ずアダン殿とビーラ殿。二人は教会に近い区域で何かしら騒ぎを起こして頂く。どんな中身を伴っても構わないが、大事なのは出来るだけ長い間教会と聖鐘と警備する連中の気を引く事だ。そうでなくば奴等の意識の網を掻い潜る事など出来ん。
 騒ぎが起これば、彼らはその状況を確かめに行くだろう。その隙を狙って、私が聖鐘へと侵入する」
「・・・実に簡易ダナ」
「目的物の在り処が分かっていなければもっと細々としていたのだが、今回はそうでもないのでね。割と簡単に計画が立てられたよ」

 チェスターは壁際に立て掛けていた樫の杖を手元に引き寄せて、それをころころと手中で転がしていく。三叉に別れた杖の先端、其処にすっぽりと填る形で赤い宝玉が収まっている。
 
「私は聖鐘へ続く道の警備兵らを鎮圧、二重の落し戸の中にある地図を奪取。そしてその場を離脱し、教会西側に流れる小川へ真っ直ぐ向かう。廃屋の裏に船を泊めているのさ。
 君達も充分時間を稼いだら其処へ向かって欲しい」
「・・・逃亡は兎も角トシテ、盗みガそんな簡単ニ行くトハ思えないのダガ。お前、それを成し得ル実力ガあるノカ?」
「信じ給え。私は教会騎士であった頃は指折りの騎士だったんだぞ。媒介装備さえあれば破壊魔法も扱えるさ」
「・・・どんな感ジだ?」
「ふふっ」

 不敵に笑みを零したチェスターは杖を半ばほどに持ち、壁に目掛けてその先端を軽く振ってみせた。瞬間、宝玉が淡い光を伴いながらその光沢より拳大の火の玉を放出した。火は勢い良く宙を駆けて壁へ直撃し、火の粉を盛んに散らした。
 
「ざっとこんな感じだね」
「・・・驚いた。魔法をまともに見るのは初め
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