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王道を走れば:幻想にて
第三章、その1:冷え込んだ拝謁
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の思いを告白し、教会まで護衛をしてくれるよう頼みました。彼女は快く私の勝手な願いを受け入れてくれて、私は教会へと参る事が出来たのです。
 無事に品々を取り戻せたものの、時同じくして教会に侵入した賊徒と邂逅致しました・・・アリッサの尽力の甲斐の賜物で私は逃れたものの、アリッサは森林に一人残される事に・・・アリッサ」
「はっ」

 言葉と共に、アリッサは貴族の衆目を浴びながらコーデリアの横へと進み、国王に向かって膝を突いた。 

「之より先は私に代わりまして、私より詳細を知っているアリッサが御説明を申し上げたく存じます。お許しを」
「良かろう、許す」
「有難う御座います。・・・アリッサ」
「はっ!残された私めは、王女殿下より預かりました『召還の媒介』を用いまして、異界の戦士殿を召還致しました。それが彼らです」

 視線の数々が慧卓の身に注がれる。レイモンドを始めとした老獪な貴族等が、そして俄かに近衛騎士等がちらと見遣るのだ。僅かの間ではあるが、無言の圧迫感を感じて心が竦む。
 アリッサは続ける。

「紆余曲折を経まして、無事に山賊の砦に忍び込んだ我等は王国兵の攻撃に合わせて砦内部から反撃。戦士殿らの機転と武勇に大いに助けられまして、無事に山賊の砦を攻略致した次第に御座います」
「・・・肝心な所を話されてしまったな、ドルイド隊長」
「・・・はっ」
「すっ、すまない」

 レイモンドは、頭を垂れるアリッサからコーデリア王女へと話題を戻す。 

「私の意見としては、王女殿下の行動は無謀の域に達するものだが、その思いは理解できなくも無い。討伐軍の目標が達成された結果として御身が無事であれば問題無いとも考えておる。よっと此の度の不問と処したい。皆はどう思う?」
『異議無し』『右に同じ』『二度目は無いぞ』
「うむ、その通りだな。・・・王女殿下。言葉の通り、次は無いと思われたい。その幸運も、我等の温情もだ」
「・・・はい、心に刻みます」
「うむ。ではお下がり願おう。・・・ドルイド隊長」
「はっ!」

 コーデリアと入れ替わる形でハボックが勇ましく前に出て、敬礼の形をとった。

「戦闘の詳細を聞きたい」
「はっ。先ず我が部隊は斥候を用いまして山賊を偵察致しました。その結果、敵方は我が方に対して数も少なく武装も貧弱で限られたものであるが、山肌に立った要害であるために正攻法は困難と認識。よって我等はその砦に対し夜を徹して攻撃を続けて、山賊等の疲弊を待つのが本来の次第でありました。
 ・・・ですがお話にあった通り、攻勢開始初日にして山賊の砦は容易く攻略されたのであります」
「其処なのだ。一体如何いう過程で砦が落ちたのだ?」
「・・・それは、後ろの二人から聞くのが、宜しいかと」
「・・・己からは語らんか。まぁ良いだろ
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