小さな小さな小心娘
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アイラ・フォン・フルンツベルクがこっちの世界にやってきて、はやくも3年が経過した。
この頃になると、会話も出来るようになり、また庭の中ならば好きに出歩けるようになった。
無論、メイドか誰かが一緒について・・・であるが。
アイラはこの日、屋敷の中にある自分用にあてがわれた子供部屋のベッドの上にてひとり溜息をついていた。
「どないしょ・・・」
・・・参ったなぁ、ホンマにここが銀英伝の世界やったわ
どないしょ
ここが銀英伝の世界だと分かったのはついさきほどのこと。
母親が「帝都オーディンで陛下即位一周年の記念式典があるらしいわ」
と言っていたのだが、そこでアイラがわざとらしく「へーかって誰なの?」と尋ねたところ、「フリードリヒ4世よ?オーディンと言う星にいらっしゃるの」ともいったので、ここが銀河英雄伝説の世界だということを確信してしまったのである。
おまけに、日にちを聞いた限りでは帝国暦458年2月だということがわかってしまい、絶望してしまった。
それが分かった後、アイラは慌てて部屋へと向かい頭を抱えてコロコロとわざとらしい愛らしさをこめながら転げ回り、今に至るというわけである。
参ったなぁ・・・
私は思わず溜息をついた。
まさかホンマに銀英伝の世界やったとは思わへんかったわ
しかも今が帝国暦462年?確かラインハルトが生まれるのが467年かそこらやったさかい私は12歳年上か・・・若本ヴォイスことアナゴ課長より年上とか・・・ハッハッハ・・・笑えへんわ!
せやけどホンマにどないしょ?
・・・落ち着け、ドイツ軍人はウロタエナイ!
取敢えず頭の中を整理しよかいな・・・えーと・・・ペンとそこらへンの紙で・・・誰かに読まれたらヤバイし、帝国語なんてわからへんから日本語で書こかいな
・・・取敢えず、リップシュタット連合には加わらんでベジーt・・・ラインハルト陣営につくか中立やな・・・こうなったら静かにしとくのが丁度ええし
でも、そう上手く行くかいな?
せやけど私にはこれ以上ええ手段はないしなぁ・・・せや!こういうときは同じく銀英伝世界にやってきなさった方々の業績を真似すればええやろ
真っ先に思いつくココア閣下は・・・アカンな
私はあないに陰謀上手やないし、それにあそこまで残酷にもできひん
・・・いや、確か自分と同じようにTSしたバージョンもあったけど・・・ビッテンさんが羨ましいな、あのお方が作ったアップルパイ食べてみたいわぁ・・・
・・・そうやなくてやね、あー・・・そういえば同じように貴族の娘さんになった人
もやはったなぁ・・・えーと・・・リツさんやったっけ?
あかんな、3年もたったら記憶が遠くなるわ・・・たしか、和食作らはったんやったっけ?・・・
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