第二章、終幕:初旅の終わり ※エロ注意
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を感じてしまい、ハボックより視線を逸らしてしまう。
ハボックは胸を大きく膨らませ、小隊長に負けぬ劣らぬ、大きな声を吐いた。
『兵士諸君!誉れ高き王国兵諸君!!・・・任務、御苦労であった。これにて、鉄斧山賊団討伐隊を、此処に解散する』
『総員っ、敬礼っっっ!!!!!!』
蛮声轟き、兵士等は皆揃って、左手を胸に当てて軍歌をかっと鳴らした。勇壮たる雰囲気を漂わせる幾百人の兵達が一糸乱れぬ動作で礼を決める様は、瞬く間に慧卓の心中を感動の波でどよめかせるものであった。なまじ趣向が軍事モノに偏っていただけに、その感動は正に一入といったところであり、瞳がきらきらとするのも無理もない話である。
小隊長が再び、号令を咆哮する。
『右向けぇぇっっ、右っ!!!』
討伐軍が整然としてばっと右にならう。
『前に進めぇぇっっ、前っ!!!』
鎧を鳴らし、軍靴を響かせながら兵達が最後の行軍をしていく。その悠然たる様子を暫し眺めて後、ハボックは壇上より降りて彼らの後に続いていった。これから施設に戻って御小言を言ったり聞いたりでその後で本当の解散となるのだろうと、慧卓は遠足のノリで考えていた。
軍を解散した以上、最早馬は必要ではない。慧卓と熊美は兵に馬を預けて、同じく馬を従者に預けたコーデリア王女に話し掛けていた。
「王女殿下、此の度は誠、御疲れ様で御座いました」
「お気遣い有難う御座います、クマミ殿。貴方々も此処までの遠路、本当に御苦労様でした」
「王女様。此処までの進軍で俺達の事を守っていただき、本当に有難う御座いました」
「私も、深く感謝しております。殿下の御威光と王国兵の勇猛さが無ければ我等二人、道半ばにて魔獣の餌食となり、今頃は冷たき土に還っていた事でしょう」
「御謙遜なさらずに、クマミ殿。寧ろ我等こそ二人に感謝せねばなりません。ドルイド殿の言うとおり、私共は此度の任務で貴方々に深い謝意を抱いているのです。改めて此処で言わせて下さい。・・・本当に、有難う御座いました」
優しげに笑みを零して礼を述べるコーデリアを見て、慧卓は誇らしげに小さく笑みを零した。そのうら若き様子を遠目からアリッサが眺めていると、一人の女性が彼らに近寄ってくるのが視界に映った。裾の長いメイド服を召した、年配の女性である。
その女性は年嵩を重ねた顔に笑みを湛えながら、気後れする事無く王女に話しかけた。
「王女様」
「!クィニ!あの、これは・・・」
「いえいえ、私は咎めに参ったのではありません。ただ無事の御帰還をお喜び申し上げたく、此処に参ったのです。・・・御無事で本当に安心いたしました、王女様」
「・・・ありがとう、クィニ」
「ですが皆に何も告げずに宮殿を去ったのは感心しません。後でお説教ですからね?」
「
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