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東方虚空伝
第三章   [ 花 鳥 風 月 ]
三十九話 交差する風
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ない。
 勘だけど的を射ている様な気もする、そうだとすれば彼らと戦う意味は無い。勘でそう思っているのなら僕は自分の勘を信じる事にしているので今回も勘に従う事にしよう。

「君達ちょっといいかい」

 僕は動きを止めそう言葉をかけたが向こうは問答無用で攻撃を続けきた。それを防ぎつつ僕は言葉を続ける。

「君達に僕は倒せないよ、何故なら…」

 斬り込んで来た二人から距離を取り僕は持っていた刀と小太刀を地上へと投げ捨て、両手を上げる。

「降参するから♪この通り」

 ヘラヘラ笑いながら武器を捨て両手を上げた僕を白髪の二人は唖然とした顔で眺め、僕の背後に回っていた黒髪の女性も気配で察するに戸惑っているようだ。
 そしてその場に変な静寂が訪れるが凛とした女性の声がその空気を吹飛ばす。

「どうやら此方の思い違いで危害を加えてしまった様ですね、誠に申し訳無い」

「「「 天魔様!!! 」」」

 現れたのは黒い瞳をした腰辺りまで在る朱色のウェーブロング、白の狩衣に黒の羽織、紅色のロングスカートを穿いた背中に黒い羽根を持つ女性であった。
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