暁 〜小説投稿サイト〜
東方虚空伝
第三章   [ 花 鳥 風 月 ]
三十九話 交差する風
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なっている事に気付いたらしく姿を見せなくなった。
 事態が一段落したのを見計らいさとりとこいし、チルノ、大ちゃんを伴い此処にきた時、妖怪達の攻撃から生き残っていた向日葵達はの枯れる寸前でそんな向日葵達を四人は涙目で必死に手入れをしなんとか枯れるのを防ぐ事が出来た。
 それから此処はチルノと大ちゃんが面倒を見る事になり偶にさとりとこいしが手入れの手伝いに来ている。本当は幽香自身が此処に来て手入れをしたいと、言ってきたが条件を満たすまで郷から出す気は無い。それは僕にとっても幽香にとっても甘えにしかならないから。

「そういえば紫の能力で元の戻せば楽なんじゃないかな?」

「“過去”と“今”の境界を操れって事?お父様だって分かってるでしょう、終わったものや解らないものに介入するのがどれだけ困難なのか。それに出来たとしても命懸けよきっと、お父様は可愛い娘を犠牲にしてまであの女を喜ばせたいのかしら?」

 紫はそう言い放つと「私怒ってます」みたいな気配を漂わせながら明後日の方を向いてしまった。

「はいはい僕が悪かったから機嫌を直してよ、紫可愛いよー愛してるよー♪」

 すねた紫にそう言ってみるのだが紫は僕から視線を外し明後日の方を見たままだ。そんなやり取りをしている僕達を大ちゃんが苦笑いを浮かべながら見ていた。

「こっち終わったよー!大ちゃーんあたいにもお茶頂戴!」

「お疲れ様チルノちゃん、はいどうぞ!」

 チルノは大ちゃんから受け取った茶器の中身を一気に煽るり大きく息を吐く。

「あっそういえば大ちゃん、虚空にあの事言ったの?」

「あの事?……あぁ!そうだったそうだった!虚空さんにちょっとしたお願いがあるんですけど」

「お願い?まぁ聞ける事なら聞いてあげるよ」

 僕の返事を聞いて大ちゃんが話し始めた。




□   ■   □   ■   □   ■   □   ■   □   ■




 森の中に剣戟の音が響き渡り森の木々に留まっていた鳥達がその音の驚き一斉に空へと飛び立つ。相手の剣戟をいなし距離を取った僕の左側面から別の襲撃者が現れ刃渡り一m、刃幅八cmの柳葉刀(りゅうようとう)を薙ぎ払って来た。
 それを前転で躱しつつ襲撃者に剣を打ち込むが相手が持っていた直径六十cm程の紅葉が描かれている盾で防がれる。
 そして体勢を起こした所に直上から風切音と共に不可視の刃が襲い掛かり咄嗟に躱すと僕が立っていた場所を深々と切り裂いき大きな斬撃の痕を作る。
 体勢を立て直そうと空へと飛び上がった僕は“何も無い空中で何やら硬い物”に勢い良く頭をぶつけた。

「ッ!?痛ッァァァァァァー!!あぁ星が見える〜くらくらする〜!」

 空中で一人悶えていると先程僕を襲撃してきたであろう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ