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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七十一話 ユリアン帰還
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処でしょうか?」
ヤンの慌て振りにキャゼルヌは笑いながら答える。
「何処って、ヤンお前さんの所じゃないか」

キャゼルヌに言われて暫く思考が止まっていたヤンだが徐々に驚く。
「えっ?」
「だから、ユリアンが、明日にはお前さんの家に帰ってくるんだよ、だから部屋の掃除をしろ言ってるんだからな」

苦笑いしながらヤンの部屋の惨状を指摘するキャゼルヌ。
「いや、まさか、先輩嘘じゃないですよね?」
「俺が嘘を言ったことがあるかね?」

ニヤニヤしながらそう言うキャゼルヌに嘘ばっかり言ってますけどと、思いながらも心の中はユリアンが帰宅したらどう言えば良いんだろうと考えて迷っていた。

「で、ヤン、その無理をした結果、お前さんは准将昇進と同時に宇宙艦隊総司令部から放逐されるそうだ、何でもやる気のない作戦参謀は役に立たないとロボス元帥お気に入りのある中佐が言ったそうでな。其処にユリアンの保護者だと言う事まで嗅ぎつけて、作戦参謀に相応しくない交流関係だと言いやがったそうだ」

キャゼルヌが憤慨しているように有る中佐を批判する。
キャゼルヌはそう言うが、総司令部で孤立していたヤンとしてみれば出られることは嬉し事であった。多少はシトレ元帥に総司令部の雰囲気を連絡できないことに対しての罪悪感はあったが、それよりユリアンの事の方がヤンには大切であった。

「先輩言いたい人には言わせておけば良いんですよ」
「まあ、そうだがな、それで目出度く総司令部を追放されたお前さんの代わりに、第七艦隊第三分艦隊ラムゼイ・ワーツ少将の参謀長マルコム・ワイドボーン大佐が同じく准将に昇進して、作戦参謀として総司令部に転属することになった」

「ワイドボーンがか」
「そうだ、それで、お前さんがワイドボーンの代わりにワーツ分艦隊の参謀長に就任する事に成った訳だ」
「まあ、それはそれで良いんじゃないんですか」

ヤンにしてみれば、この時は宇宙艦隊総司令部なんぞに居るより遙かに良い環境になるか程度に考えて事であるが、第6次イゼルローン攻略戦に参加する事に成る第七艦隊第三分艦隊参謀長という職責はヤンに取って総司令部に居たより更なる苦労を与えられるとは考えても見なかった。もっぱらユリアンの帰宅前にこの汚部屋を何とかしなければばかり考えていた。

「確かにな、何処ぞの非常勤参謀殿よりよほど役に立ちそうだからな」
「そうですね」
「さて、俺も未だ仕事が残っているからな、ユリアンが帰宅するのが明日の昼頃だからな、それまでにはなんとかしろよ」
笑いながらキャゼルヌは電話を切った。

それからヤンは、翌日の昼まで必死に徹夜で部屋の片付けをしたのであるが、悲しいがな家事スキルマイナスのヤンではまともな状態には成らず、結局ゴミも下着も一緒くたに納戸へ放り込んで何とか
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