第二章、その5:衣装変え、気品な方角
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ョンソン」
「なんですか?」
「実は此処に王女殿下の似顔絵があるのだが、見たいか?」
机の下からひらひらと、ワーグナーは一枚の紙切れを取り出した。くすんだ褐色のそれに、黒インクが卵のような形をして染み込んでいるのが裏から見える。
「あ、貴方という人は!!誰に書かせたんですか!?」
「息子だ。将来大成するぞ」
「・・・はぁぁぁ、絶対将来に碌でもない方向に成功しますって・・・・・・見せてください」
「よしきたっ!!破かないように注意しろよ!では私はこれにてーーー」
「あぁ、これ追加の分です。昼餉の時にまた別の分を持ってきますから、それまで此処でやっておいて下さい。私はこれを見てますから」
そういうなり新たな書類の束をどさりと積み上げる。それを睨み据えて硬直するワーグナーを他所に、ジョンソンは己の執務室へと消えて行った。残されたワーグナーは力尽きたように顔を机に貼り付けてごちる。
「・・・・・・欝だ」
「・・・上手いな、この絵」
ジョンソンが執務室の机に広げたその絵は、果たして羞恥を覚えながらも華のような可憐な笑みを見せる、コーデリアを美しく描いていた。
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