04:御転婆王女は腹黒い
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か不機嫌そうな、少しムッとした浮かべて、答えた。
「ラ・フォリア、です。王女も妃殿下も姫様も、全部聞き飽きました。親しい人にはラ・フォリア、と呼んでほしいのです。あなたもですよ、雪菜」
「え……でも」
雪菜がびっくりしたように反論する。確か彼女は一応政府機関の一員だったはずだ。一介の臣民が王女を呼び捨てにするなどというなれなれしい距離感には抵抗があるのだろう。
だが、その対応は間違っていることを、魔城はよく知っている。
ラ・フォリアが、今度は打って変わっていたずらっぽい笑みを浮かべる。
「そうですか。では、愛称なんてどうでしょう?わたくし、これでも日本の文化には詳しいのですよ。そうですね――――フォリりん、なんてどうですか?」
「さっきから聞いていれば、一体何をほざいてるんですかあなたは」
魔城は思わず、ゴスッとラ・フォリアの頭をたたく。ラ・フォリアはむっ、とした表情を、今度は魔城に向けてきた。
まぁ、仕方ないだろう。小国の、とはいえ、一国の王女であるラ・フォリアには近しい友達という者が魔城以外にいない。魔城も臣民としての態度をとるので、いつの間にか彼女にはフラストレーションがたまっていたのだろう。
「……それでは、僭越ながらご尊名を呼ばせて頂きます、ラ・フォリア」
「そうですか?分かりました」
諦めたような表情を浮かべる雪菜と、ちょっと残念そうな顔を浮かべるラ・フォリア。
「で、ラ・フォリアと魔城兄は、何でこんなところに?」
「僕は成り行きというか、なんだけど……」
「……わたくしの乗っていたアルディギアの航空船が、絃神島に向かう途中に撃墜されたのです」
「げ、撃墜!?」
ラ・フォリアはさらりと答える。驚いたのは古城達のほうである。当然だ。船が撃墜されるという異常事態もさることながら、それをあっさりと何事もなかったのように言うラ・フォリアにもびっくりだ。おそらく、その程度は日常茶飯事なのだろう。魔城兄も手を焼いてるなぁ、と、古城は内心呟いた。
「ひょっとして、それを行ったのが……?」
「そう、メイガスクラフトだ」
魔城が回答する。
「恐らくねらいは、ラ・フォリアの体――――アルディギア王家の血筋だ」
「な、何でそんなモノを……?」
「アルディギア王家の者、特に女子は、例外なく強力な霊媒の性質をもっているのです」
古城の疑問には、今度はラ・フォリア自身が回答する。
霊媒、というのは要するに巫女や神官のことだ。体内に保有する魔力の量と質は、その質が高ければ高いほど巨大に、強力になっていく。
雪菜もまた、獅子王機関から派遣されてきた巫女だ。古城の眷獣の覚醒にも一役買っている彼女の魔力が相当な質をもっているのは理解してい
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