怪異の巣窟 前編
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「……………え……?」
この世に生を受けて十五年。俺は、ここまで絶句したことはあるだろうか?ここまで我が目を疑ったことはあるだろうか?思考が瞬時にフリーズし、そのまま1分は立ち尽くしていたと思う…。
だって、ここは世界にその名を轟かす『織斑千冬の部屋』なんだぜ?ブリュンヒルデの称号を持っている『世界最強様の部屋』なんだぜ?
そんな奴の部屋に置いてあったピンク色のノートの表紙に書かれていた文字が…
―――『ちーちゃんの絵日記☆第13号!! by織斑千冬』
「………。」
もう何もかもに絶句する中、不意に思い出した昼間の光景。
織斑千冬が弟の発言を阻止したのは、日ごろのだらしなさを暴露されたくなかったからなのだろう。そしてあんな性格であるものの、彼女は基本的に恥ずかしがり屋さんってことだ…。
そんな世界最強の、明らかに自室の惨状以上に見られたくなさそうな物が俺の手に握られている。弟が暴露未遂しただけであの仕打ち……もしも俺のような輩がこれの存在を知ったとバレたら…。
ミ タ ナ ?
「ッーーーーーーーーーーーーーーー!!」
幻聴まで聴こえてしまった俺は日記の…じゃなくてノートの中身を見ることも無くその場から全力で逃げ出した。幸い、部屋を物色する際に動かしたものは必ず元に戻す癖を付けてあるので痕跡は残していない。ノートも最初の状態に戻した。
(俺は何も見てない!!俺は何も見てないいいいぃいいぃぃぃ!!)
ついでに、さっきのは見なかったことにしよう……うん、それが良い…。
組織から支給されたステルス装置を稼働させ、学園の警備システムを掻い潜りながら俺は全速力で隠れ家へと走り続けた…。
―――しかし、俺は知る由も無かった……この後、二つの出会いが待っているということを…
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