怪異の巣窟 前編
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施設の割にはチョロかったな…」
うちの組織の技術力が半端ではないからというのもあるが、それを踏まえたとしても随分と甘い警備システムだ。実際、学園内に俺と言う侵入者が居ても気づかず、校舎の中にこんな部屋を造っても発覚する気配が無い…。
「これなら“ホワイトハウスに半年間”忍び込んだ時の方がキツかったぜ…」
ここと比べたら断然に狭いくせして警備の濃さが半端無かったからなぁ……やっぱ本職の奴らと学園の職員じゃ格が違うね…。
まぁ、その本職の方以上に“ヤバい奴”が学園の職員として居るけど…
「……それにしても、今日の“アレ”は…」
そのヤバい奴のこと…世界最強の称号を持つ『織斑千冬』のことを思い出して作業中の手を止める。アレとは、本日行われた織斑千冬と観察対象の『織斑一夏』による短いやり取りのことである。盗撮カメラと盗聴器越しに確認したその光景は少なからず興味を持った…。
「ぶん殴ってまで会話を止めるとは…余程重要なことなのか…?」
その日、織斑一夏はクラスメイトの女子達(女子しか居ねえけど…)に質問攻めにされるていた。その最中、一人の女子が『家庭での織斑千冬』について尋ねたのだ。
それに対し、普通に答えようとした織斑一夏だったが『え?案外だr…』の辺りで本人が登場、出席簿の一撃を持ってして強引に会話を中断させたのである。
「……これは、何か臭うな…」
先程はチョロい警備システムと評したものの、ここに置いてある情報やブツはとんでもなく貴重である。それらを集め続け、組織へと持ち出すのが俺の任務でもある。あくまで任務のメインは織斑一夏に関する情報収集だが、組織にとって有益なことは言われなくてもやるのが当たり前。
「今日の夜中辺りにでも行ってみるか…」
仕事道具で事前に仕入れた情報によれば、今日は職員たち同士の飲み会があるらしい。つまり一番の脅威が外出中という絶好の機会なのだ。
「…んじゃ、夜に備えて寝るとしますかねぇ」
なんせ『篠ノ之束』博士の親友である人物だ。博士に関する情報…下手すれば未登録のISコアがあってもおかしくない…。
夜中の侵入作戦の計画を練りながら、セイスはゆっくりと眠りに入った…。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「……何なんだ…」
さて、誰もが寝静まった真夜中のIS学園。意気揚々と目的の部屋へとやってきたは良いが……アレ?オカシイな、部屋を間違えたかな…?
「…何なんだこれは」
念のため部屋の表札を確認するが、場所を間違えた訳では無い。表札に書いてある名前は確かにあっている。だからこそ、俺は驚いた…。
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