怪異の巣窟 前編
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「あっはははははははははははははははははははは!!」
「…頭、大丈夫?」
薄暗い部屋で大きな笑い声を上げる茶髪でスーツ姿の男性。その男性の様子にドン引きしながらも、同じくスーツを身に纏った金髪の女性…スコールは声を掛ける。
「あはははははは!!…あぁ、すまない。セイスの報告内容が…笑え…て…ぶふぅ…」
「……いったい、何だというの?『フォレスト』…」
犯罪組織『亡国機業』。その一員であるスコールの目の前で、彼女と同等の立場にある『フォレスト』は、自室の椅子に座ったまま盛大に大笑いしていた。
元々組織内きっての変わり者として有名な彼だが、それを踏まえてもここまで爆笑している姿は珍しいため、スコールは怪訝な表情を浮かべた。
「あぁ、ごめんごめん。とは言ってもね、ブリュンヒルデがマダオというだけでも充分に爆笑ものだけど、その時に関する追加資料は何度読んでも本当に笑えるよ?」
「…?」
自分の知らない内容に思わず反応してしまったスコール。それを見たフォレストはニヤリと笑みを浮かべた。
本来、亡国機業の構成員同士の関係と言うものは、良好なものであるとは決して言えない。しかし、この二人は利害関係を含めた諸事情により、現在は協力関係を結んでいる。その為、今のように互いに情報交換や合同作戦、更には雑談を気軽に交わすような間柄になっていた。
どうしてこのような関係を築くことになったのかは、それなりに複雑な事情があるのだが、結構長くなるので別の機会に語るとしよう。
「『ブリュンヒルデ』の件はセイスが君に話したかもしれないけど、“その後”に彼が経験した事は流石に知らないだろう…?」
「……“その後”ですって…?」
「まぁ、彼にとって黒歴史になるのは確定だね……ほら…」
「えっと、何々…?」
『その時の詳細を誤魔化すことなく報告すること』というフォレストの指示に渋々ながらも律儀に従うセイス。そんな彼が送ってきた報告書を見せられたスコールは…
「ちょ、冗談でしょう!?」
一週間はそのネタに飽きることなく笑い続けたそうだ…
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
―――これはセイスがIS学園に潜入任務を開始したころ……4月の上旬の話である…。
「……盗聴器、感度良好。監視カメラ、異常無しっと…」
IS学園校舎内にある消火栓の裏に造った隠し部屋。現在、俺はその内部でパソコンと向き合いながら学園中に仕掛けた仕事道具のチェックをしている。調子は概ね良好、問題は無い。
「それにしても、世界有数の重要
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