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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第16話「クリス・フランペア 不意打ち」
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た。
「…………顔を潰したはずですが……」
クリスの一撃を真正面から受け、潰れたはずのバフォメットの顔は、元に戻っていた。
口や鼻から血を垂らし、左の眼球が潰れている以外は、殴られる前の状態に戻っている。
「(下位の悪魔でも、強力になれば再生能力も違ってくるんでしょうか……)」
そんなことを考えていると、突然バフォメットが走り出した。
「オオォォォォォォオオォオオオォオ!!!」
それと同時に、取り巻きのゴブリン達もクリスに向かって走り出した。
「全員で来ますか………ほら、こっちです………よ!!」
クリスは即座に廃ビルの方に振り向き、再び飛んだ。
それを見たバフォメットとゴブリン達も、一斉に廃ビルに向かって跳躍した。
「ん? 来たねぇ〜」
廃ビルにいたフランが見たのは、こちらに飛んでくるクリスと悪魔達。
「さぁさぁ、いつでもいらっしゃ〜い♪」
フランは完全に臨戦態勢に入っているが、フランの手には武器が握られていない。
にも関わらず、フランは身構えている。
「……………っと! フランさん、来ますよ!!」
クリスがフランの真横に着地した。
そしてすぐにクリスを追って飛んできた悪魔達が見えた。
バフォメットはフランを殴り潰そうと拳を構えている。
バフォメットが着地し、フランに殴りかかり…………
ベシャッ
バフォメットの拳が切り落とされた。
「グウゥッ!?」
「わたしに不用意に触ろうとするからこうなるのさぁ〜」
フランの大きめな黒服の袖からは、袖とほぼ同じサイズの刃が出ていた。
フランの武器は服の袖に隠した"仕込み刃"だった。
「相変わらず鮮やかな不意打ちですね」
「わたしは力が無いから、セコい手を使わなきゃ勝てないのだよ〜」
笑いながらフランは、袖に仕込み刃をスライドさせ戻した。
「ギャハハハハァ!!」
取り巻きのゴブリン達も着地し、フランに襲いかかる。
ジャキッ
「わたしの仕込みは一つじゃないのさぁ〜♪」
両腕の袖。両足のブーツの裏。
それらから仕込み刃を出し、向かってきたゴブリン達をまるで舞うように切り刻んだ。
「♪ 〜♪ ♪♪♪〜」
フランは上機嫌でバレエに近い踊りを舞いながら歌っていた。
そんなフランの足元には、切り刻まれたゴブリンの死骸。そして血の海。
クリスが見ても異様な光景だった。
「(…………よく、血の海の真ん中で踊れますね)」
「さて、残りは〜…………」
「…
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