暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos22-Aなお深き闇に染まれ、聖夜の天(ソラ)〜Nacht Wahr〜
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割れていた結界の壁が修復され始めたけど、それよりも早く私の砲撃がヒビの中心点を撃ち抜いて大穴を開けた。

「「「「「やった!!」」」」」

「っ、・・・修復される!? 急いで中に入るんだ!」

大穴が少しずつ、でも確実に塞がり始めたから私たちは急いでお城結界の中に入った。そのすぐ後に私たちが開けた大穴は塞がった。逃げ道は無し。元より逃げるつもりもないから問題は無いと思うけど。

「エイミィ。聞こえるか?」

『はいはーい、聞こえるよ〜。通信妨害はされてないみたい。でも侵入も脱出も難しいようだよ、気を付けて』

「問題ないんじゃない? もう中に入っちゃってるんだし」

「出る時も、だよね。その時ははやてちゃん達も一緒だから」

「アリサとすずかの言う通りだ。ではエイミィ。八神家は今どこに居る?」

『うん。はやてちゃん達は今――』

†††Sideなのは⇒ルシリオン†††

俺たちは今、はやての掛かり付けである海鳴大学病院より離れたビル街、そのうちの一棟の屋上に居る。はやての付き添いだったヴィータとシャマル、倒れたシュリエルと彼女を運んできたザフィーラ、そしてザフィーラから連絡を貰って急いで帰って来た私とシグナム。八神家が勢揃いだ。

「どういうことだよ、もうこんなに侵食が進んでんじゃねぇか!」

気を失い横に寝かされているはやてとシュリエルを見るヴィータは涙を浮かべながら叫んだ。はやての服の袖口や襟からはナハトヴァール――蛇の痣が飛び出している。俺の魔法でも隠し切れない程に、だ。シュリエルもそう。ナハトヴァールの痣は首筋から両頬に掛けて伸びている。この娘の白く綺麗な肌が台無しだ。

「ルシリオン、お前はどれだけのリンカーコアを回収できた?」

シグナムの問いに「・・・1つだ」と答えた。俺やグレアム提督たちの情報を以ってしても捉えることの出来ない犯罪者が増えてきた。隠れるのが上手いんじゃない、標的に出来る犯罪者が生まれていないんだ。こうなる前に完成させたかったんだが、名を上げるのが早過ぎてしまったようだ。

「皆には申し訳ないが私は1つとして回収できなかった」

「おまっ、何やってんだよ、シグナム!」

「すまない」

シグナムに詰め寄ろうとしたヴィータに「落ち着け」と制止するが、「これが落ち着けられっか!」ヴィータはさらに激情するばかり。俺とて今すぐにでも“夜天の書”を完成させたいが、魔力が足りない。残り37ページ。それを埋めるにはAAAランクの魔力持ちが2人必要だ。だが今、俺が手に入れたリンカーコア程度ではせいぜい4ページほどだろう。

「っ!」

いま俺が展開している防性術式(結界のように見えるが歴とした防御の魔術――今は魔法だな)、ヴァーラスキャールヴが傷つけられたこと
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