暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos22-Aなお深き闇に染まれ、聖夜の天(ソラ)〜Nacht Wahr〜
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時、「っ!?」ゾワッと悪寒が走った。俺は急いでシュリエルに近寄ろうとしたシャマルの腕を取ったその時、シュリエルのセーターの左袖が弾け飛び、左前腕部に絡みつく十何匹という蛇――ナハトヴァールの実体化した姿が現れた。
そのうちの3匹が口を大きく開けた状態で俺とシャマルへと高速で伸びて来た。左手に携える“エヴェストルム”を振るいナハトヴァールを迎撃しようとしたが、「チッ!」うねる事で俺の斬撃をかわし、その牙を俺とシャマルに突き立てようとしてきた。

(このままじゃシャマルが真っ先に噛まれる・・・!)

ナハトヴァール。先の次元世界とは違う“闇の書”の闇。守護騎士であるシャマルが噛まれることで起きる障害が予想できない。ならば。シャマルの腕を強く引き、俺との立ち位置を変えた。それでシャマルは救えた。その代わり「ぐっ、あっぐぅぅぅ!」1匹が俺の左手首に絡みつき、ボキッとへし折ってきた。力を失った左手から離れた“エヴェストルム”が音を立てて屋上に転がった。
もう1匹は俺の魔力炉(システム)を狙っているのか胸部に噛み付いてきて、もう1匹は俺の右目に牙を突き立てようとしたために首を逸らすことで直撃は回避した。が、右目のすぐ側を通過して行き、「がああああああ!!」皮膚や肉を削られてしまった。

「ルシル!!」「「ルシリオン!!」」「ルシル君!!」

「「「「「「っ!!!!」」」」」」

堪らず両膝をついて右目を右手で押さえる。手と頬、指の隙間からボタボタと血が流れ落ちて屋上に血溜まりを作っていく。左手首を折られ、右目を潰され、今もなお俺の胸部にナハトヴァールが噛み付いている。だが、エイルを使えばまだ治せるダメージだ。

『恐ろしく強い魔力を持っているのね、お前』

「っ!?」

頭の中に聞こえてきたのは女性の声。声の出所は信じがたいことにナハトヴァールからだった。

『守護騎士どもから最後の魔力を頂戴しようとしたけれど、お前から頂くことにするわ』

『誰だ!?』

『私は、アウグスタ・マリー・カタリーナ・ルイーゼ。闇の書を手に覇道を歩み、世界を手に入れる者よ!』

ナハトヴァールに人格があるとは聞いていないぞ、シュリエル。念話が切れると同時に、「ぐぅぅ・・・!」俺の胸から魔力炉(システム)が浮かび上がり、シュリエルの左腕に絡みつく残りのナハトヴァールが一斉に魔力炉(システム)に群がった。突き立てられる牙。それと同時に魔力を蒐集されるのが判った。

「あ・・が、あああ、ぐあああああああああ!!」

蒐集時の苦痛が先の時とは違って桁違いに強い。

「テメェ、離れやがれ!」

――テートリヒ・シュラーク――

「「離れろ!」」

揺れる視界の中でヴィータとシグナム、ザフィーラがナハトヴァールに攻撃を加え
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