暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
幼い日の思い出
生まれ、落ちた
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界にまで見開き、自分の目の前に開かれた巻物を楽しそうに見つめている。
 そんな少年の後方に、まるで少年の背を守るかのような絶妙な位置に、少女は立っていた。

 見た目からして七歳から八歳くらいなのだろうが、恐ろしく整った顔は、年のわりに大人びている。
 赤い瞳は、まるで夕焼けの色を貰ったかのように、吸い込まれそうな色をしていた。
 子供だというのに、その表情はあまりにも冷めており。同時に、垂れ流されるはずのない、大人の色気を漂わせている。
 風によって靡いた髪の毛は血よりも赤々しいけれど、毒々しくはなく、彼女の容姿を際立たせていた。

 誰かが見ていたならば、息を呑んだかもしれない。
 それほどに美しい容姿を持った少女が纏っている衣装は、中忍が着るものに似ているが、動きやすさが重視されているのか、一切の防具をまとっていない。
 本来、腰には手裏剣や苦無が入れられた袋が携えられているものだが、それさえも持っていない。
 だが、丸腰というわけではなかった。

 彼女の手には、長い長い、黒色の刃を有する刀があった。
 刃自体の長さはおおよそ、彼女の身長くらい。……つまりは、1m20mほどあるのだろう。
 柄の長さも含めると、少女の身長を軽くこえ、1m80cmほどはあった。
 俗に、大太刀という部類に含まれるであろうその刀は、大の大人ほどの身長だ。扱いにくいなどの次元を超え、最早、熟練者の間でしか扱えない部類に入るものなのだろう。
 しかも、その刀身にあうようにそれなりの重さがある。
 背負われている二本の鞘の、どちらか一本の重量を含めれば、2kgは超えるだろう。

 しかし、まだ幼いはずの少女は全くその長さに頓着することなく。かといって、その長さに比例した重さにも振りまわされることなく、流れるような滑らかな動きで刀を動かす。
 一閃、二線。
 彼女の腕が動くとともに振るわれる黒の刃は、漆黒の軌跡を宙に残し、降りまいた。
 刃の動きに合わせて空気の流れが変わり、青色の光が彼女の体から、水のように流れ出す。
 それをどこか茫然としたような目で見つめていた彼女は、ふと、何かに気づいたように辺りを見回し、自分の頭の上で光り輝く太陽の位置に気づく。

 「…時間」

 少女が自分の持っていた漆黒の刃の柄から、いきなり手を離す。
 落ちたそれが勢いよく地面に突き刺さる。
 背負っていた二本の鞘のうちの一つ、海のような青さを匂わせる色で塗られた鞘をとり、引っこ抜いた刃を収める。
 じゅくりと、まるで人間の体に刀を突き刺したかのような。そんな、本来なら奏でられるはずの無い音が耳に届いたが、少女はそれに微塵も動揺を見せず、後ろを顧みた。

 「ナルト」

 呼びかけられてぴたりと動きを止めた少年が、不思議そうに首
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